Adobe、電子雑誌の経済性に関するレポートを発表
電子雑誌の市場性が徐々に確立されていく中、出版社はそれを経済性のあるマーケティングツールとして活用する機運が高まっている。
Adobeが先日レポートとして公開した『The State of Mobile Benchmark(モバイルベンチマークの状況)』は、消費者が雑誌を読み購読するのにモバイルデバイスをどのように利用しているかについて幾つか興味深い情報を提示している。
その内容は同社のAdobe Degital Publishing Suiteを利用して制作された電子雑誌の読者層に限定されているが、市場全体として雑誌をいかに消費しているかへの考察を提供するものだ。
レポートで例示されているデータによると、タブレットを利用する読者数はここ7カ月で200%近く増加し、電子雑誌のダウンロード回数は週30万回から200万回に増加したという。Adobeは電子雑誌のインタラクティブ広告が消費者の購買行動に大きな影響を及ぼすようになったことを把握したため、このレポートの重要な内容の一部は出版社向けとなっている。インタラクティブ広告は紙媒体の雑誌広告と比較して2倍の影響力を持つ一方で、広告収入は一時期200%の増収となった。
「ポイントはどこか?」とAdobeは問いかけている。「消費者は絶えず増大するペースで電子雑誌を購入している。電子雑誌の利用者がアーリーアダプターだけでなく紙媒体の読者にも拡大しつつあり、その読者層は多くの広告収入をもたらす可能性を持っている。電子雑誌を消費する人々の有料コンテンツを利用する傾向にあることを考えると非常に高い価値があることを示唆するものだ」。
電子雑誌は――各号であれ購読であれ――先進的な思考を持つ消費者向けだったが、電子出版の展望に占める割合が大きくなってきたので、出版社は必要なマーケティングツールとしてその経済性を認識することができる。タブレットの価格が下がり、所有する人が多くなるにつれ、電子雑誌の消費は増大するとしか思えない。
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