ボリビア、書籍売り上げの付加価値税を免除
世界で最も海賊版書籍が横行している国の1つとして知られるボリビア。同国の大統領は、電子書籍と紙書籍に掛かる付加価値税を非課税とする新法にサインした。
ボリビアのエボ・モラレス大統領は、電子書籍と紙書籍の売り上げに対する16%の付加価値税を非課税とする新法にサインした。この新法は国内図書館の改善も要求している。
紙書籍と電子書籍の価格が下がるので、多くの出版社がこの新法の恩恵を受けることになり、より多くの本の売り上げにつながりそうだ。
この法律の恩恵を最も享受するのはMcGraw-Hillの関連企業でボリビアの地元出版社のMartinez Acchini。そして、ボリビアで存在感を持つ大手出版社の1つ、Scholastic。この2社はともに書店のネットワークに限定して310冊の電子教科書を積極的に販売してきた。タイトルは紙書籍価格の4割以下で販売されており、すぐに入手できる。
ボリビアは世界で最も海賊版書籍が横行している国の1つとして悪名高い。ブラックマーケットが存在するため、多くの大手出版社は書籍と教科書の販売を停止した。幸運にも、1990年台にボリビアとペルーで確立された不正規印刷業者の組織化されたネットワークはブラックマーケットに出荷されるあらゆるペーパーバックをほとんど即座にコピーする能力とツールを持ち、出版業界を蝕んでいる。これにより正規教科書の価格は上昇し、正規教科書を入手するために学生はデポジットを支払い、郵送されたタイトルが届くまで3週間待たなければならない。
この新法に関して最も皮肉なのは、モラレス大統領が読書嫌いなことだ。最近のプレスイベント中に大統領は「わたしには問題があり、読書が好きではない」と語った。ボリビア国民が彼の意見に同調しなければいいが。
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