一定範囲の2次創作活動を認める「同人マーク」のデザイン案募集が始まる
作家など著作権者が第三者による一定範囲の2次創作活動を認める意思表示のためのマークとして構想されている「同人マーク」のデザイン案募集が始まった。
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(CCJP)の運営母体「コモンスフィア」は7月17日、作家など著作権者が第三者による一定範囲の2次創作活動を認める意思表示のマークとして構想されている「同人マーク(仮)」をこの夏にリリースすると発表した。これに先だってマークのデザイン案を7月28日まで一般公募する。
日本のTPP参加による著作権の非親告罪化をにらみ、日本における2次創作文化を保護または促進するための1つの試みとして以前から漫画家の赤松健さんがCCJPに提案していたものを原型にしている。CCライセンスとは切り離した形での運用が想定されており、その基本コンセプトは以下の3点。
- 作家が自分の作品について付けるもの(作品を公開するホームページ上や雑誌上などで)
- 第三者による2次創作同人誌の配布を同人誌即売会で行うことを認める(ただし、デジタルデータは除く)、という意思表示であること
- もとの作品の全部または一部をそのままコピーして配布することは認めない(2次創作のみ許容する)こと
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)では、BY(著作者表記)やNC(非商用)などの組み合わせでライセンスの射程が決まるが、基本的にデッドコピーを前提としており、2次創作との相性はさほどよくない。これに対し、同人マークは2次創作のみ可能にし、配布はコミックマーケットなど同人誌即売会のみとなっている。
ライセンスのタイプはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのように複数の条件を組み合わせるものではなく、1タイプのみの予定とされているが、上記コンセプトに含まれないショップでの委託販売やダウンロード販売なども著作権者が許諾したい場合を考慮し、マークにそれを意味する追加文字を入れることで対応する考えも示されている。
デザイン案の審査員には赤松さんのほか、コモンスフィア理事のドミニク・チェンさん、明治大学特任教授の中山信弘さん、骨董通り法律事務所の福井健策弁護士、そして講談社少年マガジン編集長の菅原喜一郎さんが名を連ねている。少年マガジンでこの夏に連載開始予定の赤松さんの新作にこのマークの適用が予定されている。
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