英国最大の新聞社で最大の購読者層を抱えるThe Sun。同社は、新電子購読パッケージを立ち上げ、自社Webサイトにペイウォールを実装、記事を読むためには会員登録する必要がある。非常に心躍るのは、新聞社がこれまでオンライン課金で行なっていた方法から脱却を図り、The Sunがかなり革新的な幾つかの手法を取り入れていることだ。
The Sunは、Webサイトを購読するための月々の購読料を低額に設定しているが、電子化にのみ集中しているわけではない。電子購読を販売する代わりに、紙媒体の売り上げを減少させたいわけではないことを伝えようとしている。紙の新聞の毎号に同紙の無料電子版と交換、もしくは公式アプリが利用できるコードが印刷されている。The Sunの電子版編集者、デレク・ブラウン氏は「電子化を最優先するつもりはなく、毎日、紙の新聞を多部数販売していることを認識しています。紙媒体の読者が何か内容が物足りないと感じることを望んでいるわけではありません」と話した。
電子版購読はWebサイト上でニュースを読む以上の体験をもたらすようだ。購読者はThe Sun+ Goalsアプリへのアクセスも提供される。このアプリは、英国プレミアリーグの全380試合のハイライトを提供し、BBCのMatch of the Dayよりも5時間早く、土曜の17時15分に情報が更新される。2014年にはFAカップのコンテンツも追加される予定だ。そのほか、毎月、少なくとも200ポンド相当の音楽や電子書籍の無料ダウンロードが提供されるSun+ Perksなどのアプリもある。
The Sunは新電子購読パッケージの立ち上げに関して、幾つかかなり上質の仕事をしている。平均的な新聞社はインターネットWebサイトへのアクセスを販売するだけで、ニュースアプリへの無料アクセスは提供していない。The Sunは、ほかの新聞社とは異なり、自社で道を切り開き、モバイルを味方に付けている。
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