オタクな吸血鬼? 『我が妹は吸血鬼である』
吸血鬼が実在する現代社会に、吸血鬼である妹と、吸血鬼を討伐する機関に所属する兄が繰り広げる物語『我が妹は吸血鬼である』を紹介。
ちょっと変わったところがあっても、妹や家族は大事だよね。これはどこにでもあるようでまったくないそんな兄妹のお話。『我が妹は吸血鬼である(電撃文庫)』のご紹介です。
妹は吸血鬼?
舞台は吸血鬼が実在する現代社会。主人公「笹森総一郎」は幼いころに吸血鬼絡みの事故で両親と妹を亡くしてしまった。そんな彼は吸血鬼への復讐を目的とし「吸血鬼討伐機関・聖ストア騎士団」の一員として活動していた。
そんな中、届けられた一箱の段ボール。差出人もなく、生もの注意とだけ書かれてある明らかに怪しい段ボール。その中から出てきたのは何と吸血鬼として生きていた妹「笹森幾夜」だった。
6年という月日を経て再開した吸血鬼を討伐する機関に所属する兄と、吸血鬼の妹。兄は迷い、悩みつつも妹を守る、ともに暮らすことを決意し不思議な兄妹の生活が始まる。
突っ込まざるを得ない!
主人公は吸血鬼を討伐する機関に所属し、吸血鬼を狩る立場。当然ながら装備もちゃんとある。銀色の兜と甲冑に戦追(ウォーハンマー)……
いつの時代の西洋騎士だよっ!
と突っ込みを入れたくなる。ちゃんと理にかなった装備らしいのだが……この騎士がバイクに乗って疾走する姿を見たら正直大丈夫かと思ってしまうのは当然の感想なのかもしれない。
妹は妹で吸血鬼なのに何と「血液恐怖症」で、血の代わりに牛乳が大好きだったりする。それ以外にもネットにつないで投稿されている長編動画をひたすら見たり、掲示板に書き込んで一喜一憂したり、画面の前で「ウッーウッーウマウマ」と踊っていたりと一言で言うと
ただのオタクじゃないかっ!
だが、実際に兄として妹が画面の前で踊っているのを目撃したら言葉が出ないのは言うまでもあるまい……。
きずな
全体のテーマとしては「きずな」になるんだろうなと思う。家族、兄妹、仲間、親子、友人。そういったつながりを人は誰しも持ってるんだと感じさせられる場面が多々出てくる。人間は一人では生きていけない、昔から言われていることだが改めてそう感じられる。
作品の中盤から終盤にかけては怒涛の展開で話が進んでいく。詳しくは書かないが最後まで一貫してその主張は崩れていないように感じる。無論、主人公にとっても妹にとっても。気になった人はぜひとも手にとって読んでいただきたいと思う。
最後に一言。
グンマー
(評:ラノコミどっとこむ編集部/せふぃ)
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