E Ink、2013年第2四半期に約3300万ドルの損失を計上
電子パーパー大手のE Ink。しかし、2013年第2四半期に約3300万ドルの損失を計上するなど、成長が鈍っている様子もみられる。
E Ink Holdingsは前四半期に3363万ドルの損失を計上し、相当の停滞期を経験している。同社はAmazonやBarnes & Noble、Koboの電子読書技術の礎となっているにもかかわらず、専用電子書籍リーダー向け液晶パネルの需要減少に見舞われている。
これは、E Inkの顧客ベースのほとんどがAndroidタブレットへ流れたことが原因で、同社は2四半期連続でマイナス成長を続けている。今四半期、多くの顧客企業が次期電子書籍リーダーをリリース予定なので、売り上げは前四半期の少なくとも2倍の29億3000万台湾ドルを超えると見込まれている。E Inkの売り上げは従来、製造に拍車が掛かる第3・4四半期に伸びることが多い。
電子ペーパー技術はE Inkの価値の70%を占めているにもかかわらず、同社は空港・交通業界向けのサイネージなど緩やかな成長が見られる商業分野への進出を図っている。商店で利用されている価格タグを置き換えるデジタルサイネージも発表した。今年末までに、この新たな事業分野はE Inkの売り上げ全体の5%を占めることになると見込まれている。
The Taipei Timesによると「前四半期、E Inkは韓国のLCD製造子会社、Hydis Technologies Coで労働力全体の50%に当たる人員を解雇するのに一時退職手当の支払いで5億台湾ドルを計上した。Hydisの従業員数は整理解雇前は800〜900人ほどだったのが約400人と半分になった。一方、E InkはAppleとSumsung Electronicsの特許で一部利用されている高解像度LCD製造向けのHydisの特許をSHARP・LG Displayなどの液晶パネル製造メーカーにライセンシングすることで過去最高の特許料、4億台湾ドルを受け取った」という。
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