出版業界ニュースフラッシュ 2013年8月第4週
出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。お盆明けの先週は秋田書店への措置命令などが話題になりました。
「Amazon Studentポイントサービス」で、再び回答拒否
日本出版者協議会(出版協)の加盟社51社が、学生を対象に10%のポイントサービスをしている「Amazon Studentプログラム」が再販契約違反であるとして、自社商品の除外を求めた問題で、Amazon.com Int‘l Sales, Inc.は、再販契約の当事者ではないという理由で、会員社への回答を拒否した。会員数社にその旨を伝えた。
会員出版社は同社のほか、帳合取次の日販、大阪屋にも同様の要望書を送付。8月20日までの回答を求めていた。
消費者庁、秋田書店に対して景表法違反による初の措置命令
8月20日、同社発行の女性月刊漫画誌「ミステリーボニータ」など3誌の懸賞企画で、実際には1人しか当選していないのに2人が当選と水増し表示したことは「景表法第4条第1項第2号」に規定する不当表示に当たると認定し、同社に措置命令を下した。
調べに対し、同社はアンケート回収の呼び水で懸賞企画を実施し、近年はスポンサーからの景品提供が少なく、限られた予算内でこれを継続するため、当選者の水増しを行ったことを認めたという。同庁の承認を受けた謹告文を朝日や読売、日経などの全国紙2紙と対象誌3誌に掲載、消費者への周知を図る。
同社は同日、ホームページ上に謹告文をアップ、読者に謝罪した。
中央社、増収増益の好決算。第三者割当増資
8月20日、株主総会と取締役会を行い、平成24年度(2012年6月1日〜2013年5月30日)決算と役員人事を決めた。総売上高は273億1900万円(前年比0.4%増)で4年連続の増収。営業利益は4億4100万円(同9.0%増)、経常利益は2億4400万円(同1.5%増)、税引後当期純利益は2億4300万円(同113.2%増)。売上高を伸ばしながら、返品率は総合で前年と同じ29.1%を維持。販管費を同2.5%圧縮して好決算を果たした。
また、出版社、同業他社、書店、取引業者など8法人に対し、第三者割当増資の引受先を要請する。26万7000株を発行、1株205円。9月10日までに手続きを完了し、物流インフラの改修などに充てる。
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