出版業界で次に来るのはクラウドファンディングか
ファンドレイジングモデルが出版業界で機能するには時間が掛かっているが、出版プロセスの再創造につながっていくのかもしれない。
Kickstarterのようなクラウドファンディングサイトはユーザーの寄付を通じて多くのさまざまなプロジェクト立ち上げに貢献しているが、このファンドレイジングモデルが出版業界で機能するには時間が掛かっている。
こうしたサイトの1つがUnglue.itで、2011年には既存書籍を取り上げて、基本的には著作権を“はがす”ために寄付を募った。寄付が十分に集まると、著作権保有者――出版社であれ、著者であれ、著者の遺産であれ――は本をパブリックドメインに開放するのと引き換えに金銭的補償を得るという仕組みだ。
このほかにも、PubSlushやLeanPubは、本を執筆中の著者が、潜在的読者にリーチし、出版に掛かる関連費用をカバーするために寄付を受け入れるというアイデアに基づくプラットフォームの提供を開始した。同じころ、Wattpadは6人の著者と共同して読者の寄付を通じて著者のタイトルを出版する限定的なパイロットプログラムを行っている。
英国に拠点を置き、最大のプラットフォームの1つであるUnboudによると、書籍制作をファンドする読者の寄付でこれまで100万ポンドあまりを受領したという。最近だと、ショーン・アッシャー氏の『Letters of Note』は寄付者から12万5000ポンド以上を受領した。
TechCrunch向けの記事で、UnboundのCEOであり創設者のダン・キーラン氏は「Unboundは非常にシンプルな精神に基づいています。著者と読者を引きあわせ、だからこそいっそうより良い形で出版プロセスにより多く携わる体験を提供するというものです。ファンディングが準備できたことで、われわれの計画は第2フェーズへ入る準備が整いました」という。
モデル自体は表面上革新的に聞こえるが、実際には数々の有名作品が制作され読書されたプロセスを再創造しているにすぎない。少し前は多くの作品が雑誌に連載される形で実際に出版され、熱心な読者は著者が執筆する作品の続きを購入したがった。
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