PlayStation Vita TVとReaderで迫力満点の大画面読書
11月14日にソニーが発売した「PlayStation Vita TV」は、「PlayStationVita」から一部の機能を省いたセットトップボックスだ。ゲームや音楽、映像などに加え、ソニーの電子書店「Reader Store」で購入したコンテンツも大画面で楽しむことができる。さっそく試してみた。
11月14日にソニーが発売した「PlayStation Vita TV」は、同社の携帯ゲーム機「PlayStationVita」から一部の機能を省いたセットトップボックスタイプのハードウェア。テレビに接続してPS Vita用のゲームを楽しめるほか、定額制音楽サービス「Music Unlimited」や、映像作品の「Video Unlimited」、そしてソニーの電子書店「Reader Store」で購入したコンテンツも大画面で読むことができる。さっそく試してみた。
PlayStation Vita TVの初期設定
まず、PlayStation Vita TVは小さい。筆者の持っているXperia GXの4.6インチディスプレイと同じくらいで、コントローラーやケーブル類の方がかさばるくらいだ。
PlayStation Vita TVとテレビの接続はHDMIケーブルなので、HDMI入力端子を備えていれば、PC用でも接続可能。日本のReader StoreはWindowsやMac向けにビューワを提供していないが、PlayStation Vita TVとディスプレイを繋いでしまえば大画面で電子書籍を読むことができる。
初回起動時は、言語選択やテレビ画面のエリア調節、タイムゾーンや日付けの設定などを行う。このほか、Sony Entertainment Networkアカウントでのログイン(PlayStation Storeの利用で使用。アカウントがない場合は新規作成)が必要で、これに加え、クレジットカード情報が登録済みの場合でも、有効期限とセキュリティーコードの再入力を促される。
ReaderアプリをPlayStation Storeからダウンロードしよう
ReaderアプリはPlayStation Vita TVにプリインストールされていないため、PlayStation Storeからインストールする必要がある。ホームメニューの[PS Store]から、[アプリケーション]の[電子書籍Reader for PlayStation Vita]をダウンロードしよう。アプリは無料だ。
Readerアプリの初期設定
Readerアプリをインストールしたら、機器認証を済ませる必要がある。Reader Storeをお使いの方ならご存じのとおり、機器認証に必要なのはMy Sony IDとパスワード。Sony Entertainment Networkアカウントではないので注意したい。
また、Reader StoreのAndroid/iOSアプリはReader Storeのマイページから機器認証を解除できるが、PlayStation Vita/PlayStation Vita TVは、Reader端末と同様、認証を行った機器から解除操作が必要となる。譲渡や売却する際は注意しよう。
機器認証を終えると、Reader Storeで購入済みの本のうち、PlayStation Vita TVに対応しているものだけが本棚に並ぶ。本棚はソートやフィルタ・並び替えにも対応。壁の模様と棚板はオプションメニューの[本棚カスタマイズ]から変更できる。自分の好きな画像を取り込んで、壁の模様にすることもできる。
Reader Storeで本を購入する
ReaderアプリからReader Storeへ進むと、PlayStation Vita TVのWebブラウザでストアが開く。スマートフォンやタブレットでReader Storeにアクセスしたときと同様、モバイルWebの画面構成だが、PlayStation Vita TVに対応している本だけが表示される専用画面となっている。ストアのメニューはReader端末向けと同様、リニューアル後に追加されたコミュニケーション機能(読みたい、読んだ、レビューなど)には対応していない。レビューを見ることはできるが、書き込みはできない。ここは今後の改善が望まれるところだろう。
購入時は他のデバイスと同様、My Sony IDは保存できるが、パスワードは実質的に毎回入力する必要がある。特に、コントローラーでの文字入力はキーボードより手間と時間が掛かるので、Bluetoothでキーボードを繋ぐか、PCがあるならそちらから購入してしまった方が楽かもしれない。
迫力満点の大画面で読書をしよう
PlayStation Vita TVでの読書は非常にキビキビと動作する。左右キーをしばらく押しっぱなしにすると、高速ページめくりに切り替わる。高速ページめくりの様子は印象的なので、動画で確認してみてほしい。このほか、90度回転や、拡大モードなども搭載されている。
大画面で読む電子書籍はかなりの迫力。ページめくりも快適なPlayStation Vita TVなら、スマートフォンやタブレット、あるいは専用端末とは全く異なる読書体験を堪能できる。対応作品もコミックを中心に、徐々に増えつつある。筆者としては、雑誌を大きな画面で見てみたいので、現時点では未対応なのが少々残念だった。
ともあれ、ディスプレイの大きさ次第では、実際の本より大きく表示できるのは、アクセシビリティという意味でも今までとは違った可能性を感じる。ゲーム以外にもいろいろ使える端末が、1万円未満で手に入るというのは、コストパフォーマンス的にも素晴らしいことだ。
著者プロフィール:鷹野 凌
フリーライター。「日本独立作家同盟」呼びかけ人。ITmedia eBook USER、ダ・ヴィンチ電子ナビ、INTERNET Watch、マガジン航などに寄稿。ブログ「見て歩く者」で、電子出版、ソーシャルメディア、著作権などの分野について執筆。自己出版で『これもうきっとGoogle+ガイドブック』を1〜3巻まで配信中。
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