東京書籍、ACCESSの教材向け電子書籍ビューワを採用
弱視や色弱、読み障碍を抱えた学生や、日本語の読みに不慣れな海外帰国子女、外国人留学生にも読み易いようにビューワを開発。東京書籍の「特別支援を必要とする学習者に配慮した電子教材用ビューワ」として採用された。
ACCESSは2月7日、EPUB 3に準拠した教材向け電子書籍ビューワ「PUBLUS Reader for Education」(Windows版)が、教科書事業を手掛ける東京書籍の「特別支援を必要とする学習者に配慮した電子教材用ビューワ」として採用されたことを発表した。今春から、東京書籍から同ビューワを用いたデジタル教材の見本が各自治体などに向けて配布予定。
PUBLUS Reader for Educationは同社のEPUB 3対応電子出版ソリューション「PUBLUS」のビューワ技術を教育向けに展開したもの。教材の開発・発行で実績のある東京書籍の協力を得て、表示機能を拡張した。教材紙面そのものの固定レイアウト表示と、アクセシビリティを高めたリフロー表示のハイブリッド表示が可能なほか、音声・動画の再生、HTML5を用いた動的コンテンツの表示、メモ機能などを備える。製品提供は今春以降。
今後ACCESSは、教育向けビューワの実用化に向け、全国の特別支援学校と実証実験を実施予定。同時に、IDPFでデジタル教科書制作の推進・標準化を推進しているワークショップ「EDUPUB」へのフィードバックも行っていく考え。
教科書発行者である東京書籍では、以前より教科書の紙面構成において、デザインのバリアフリー化に努めてまいりました。ACCESSは、IDPFのReadiumプロジェクトに研究成果を還元するなど、EPUB普及のために積極的に技術提供しており、当社の目ざすデジタル教材の要件を技術面から実現してくれるパートナーであるという判断から、この度の採用に至りました。今後、東京書籍では、特別支援を必要とする方向けに、総ルビ分かち書きのEPUB3ファイルも提供することも計画しています(東京書籍 取締役 ICT事業本部長 兼 出版事業本部長の内田宏壽氏)
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