セルフパブリッシング作品、ベストセラーリストを支配
海外では、The New York Times、Amazon、Barnes & Nobleなどのベストセラーリストにセルフパブリッシング作品が数多く並ぶようになってきている。
セルフパブリッシング(自主出版)が大きなビジネスになりつつある。すでにThe New York Times、Amazon、Barnes & Nobleのベストセラーリストにもセルフパブリッシング作品が数多く、そして月単位でリストされている。今日はこうしたセルフパブリッシング作品がいかにベストセラーリストを支配し始めているかについて幾つかの興味深い数字に注目したい。
まず、PenguinとRandom Houseの2013年の電子書籍ベストセラーは478タイトル、Hachetteは258タイトルだった。ベストセラーリストを支配したほかの作品の大半はインディーズ作家によるものだ。
2013年、Amazon.comの電子書籍ウイークリートップ100は、セルフパブリッシング作品が平均して27%を占めた。Barnes & Nobleは「NOOKの顧客の30%がセルフパブリッシング作品を毎月購入している。NOOKの月間書籍販売の25%はそうした作品だ」という。ベラ・アンドレ氏、レイチェル·ヴァン·ダイケン氏、アビ・グラインズ氏、ケイティ・エヴァン氏、バーバラ・フリージー氏といった多くのインディーズ作家は2013年、The New York Timesのベストセラーリストを飾っている。
セルフパブリッシングのサービスを提供する米Smashwordsのマーク·コーカーCEOによると、2020年までに、全電子書籍の50%がセルフパブリッシング作品になるという。これは従来のベストセラーリストにこうした作品が取り込まれることを意味するのだろうか。それとも、The New York Timesのベストセラーリストですら従来型の出版物をリストしない時代に突入するのだろうか。
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