ハルキスト待望の新作『女のいない男たち』発売、紀伊國屋書店ではカウントダウンイベントも:前作から1年ぶり
紀伊國屋書店の新宿本店で、村上春樹さんの新作『女のいない男たち』の発売カウントダウンイベントが開催。イベントでは村上春樹作品限定のビブリオバトルも開催された。
4月18日午前0時、紀伊國屋書店の新宿本店で、村上春樹さんの1年ぶりの新作となる短編集『女のいない男たち』の発売カウントダウンイベントが行われた。
6編の短編から成る同作は、うち4編が総合誌「文藝春秋」に、1編が文芸誌「MONKEY」ですでに発表された作品。表題作の「女のいない男たち」が書き下ろし作品となっており、『老人と海』などで知られるヘミングウェイの短編集と同名となっていることから、ファンの間ではさまざまな憶測が飛び交っていた。初版は30万部となっている。
イベントでは、短編集の発売を前に4階特設会場で、村上春樹関連書籍限定の「ビブリオバトル」が開催された。
ビブリオバトルとは、“知的書評合戦”とも呼ばれる読書会の一種。発表者はお気に入りの本を5分でプレゼンテーションしたのち、2、3分のディスカッションを挟み、参加者全員で一番読みたいと思った本に投票するというもの。優勝した本はチャンプ本と呼ばれ、今回チャンプ本に選ばれた本をプレゼンテーションした人には、新刊を一番に買える権利が与えられた。
また、イベントには、荻窪のブックカフェ兼ギャラリー「6次元」の店主で、生粋のハルキストでもあるナカムラクニオさんも参加。1982年(昭和57年)の雑誌『太陽』を持参し、そこに掲載されていた村上春樹さんの散歩リポートを紹介するなどして会場を沸かせた。
ナカムラさんに新刊の発売を直前に控えたいまの心境を聞くと、
今日発売の短編集に出てくる舞台はすべてまわりました。後は書き下ろしの「女のいない男たち」だけなので、早く読んで散歩に行きたいですね。いままでの作品はファンタジー中心だったんですけど、『色彩を持たない多崎つくる――』以降はリアリズムばかりになっていて、村上春樹さんの書き方が新しいステップに移ったんじゃないかと思っています。舞台となった場所に行けるという意味でも楽しみですね。
と、うれしそうに語った。
6次元では4月18日午後1時に、女のいない男たちの舞台をめぐるさんぽ会を実施する予定。読書とは違った新しい村上作品の楽しみ方を提供する。
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