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京都大学の正高信男 霊長類研究所教授らの研究グループは5月2日、デジタル絵本に独自の教育効果があるという研究結果を同大学のWebサイト上で発表した。
実験では、4歳児15人に『たなばたバス』というデジタル絵本の読み聞かせを、6日間にわたって毎日2回、計12回経験させた。その結果、読むことのできるひらがなの数が平均3文字増加した。紙媒体で同様の実験を行ったところ、同じような学習は起こらなかったという。ただし、デジタル絵本には、プロのナレーターによるナレーションや、読み上げられた文字が画面上で赤く表示されるハイライト機能など、紙媒体にはない特徴が備えられていた。
結果について正高教授は、
この研究から、デジタル絵本のほうが従来の印刷された絵本よりすぐれていると主張するつもりはありません。養育者が子どもに絵本を読み聞かせ、楽しいひとときを過ごすのが子どもの発達に重要な役割をはたすのは、ほとんど自明の事実です。しかし、いつも子どもに絵本を読んでやれる時間をとれるかどうかはわかりません。そんなときに、デジタル絵本を効果的に活用することで、子どもの読みの能力を伸ばすことができる、そういう柔軟な対応の可能性を示唆した研究結果と受け取っていただけることを期待しています。
とコメント。研究成果は欧州科学誌「Frontiers in Psychology」誌にもオンライン掲載されている。
今後は、デジタル絵本での読みの学習が、書くことの習得にも影響をおよぼすのかどうかを研究する予定だという。
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