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国立情報学研究所の電子図書館事業が終了――2015年度末をめどに
国の電子化支援がJ-STAGEに一本化されたことにより、国立情報学研究所が進めてきた電子図書館事業が終了する運びとなった。
国立情報学研究所(NII)は、同研究所が進めていた電子図書館事業(ELS)を2015年度末をめどに終了すると発表した。
ELSは1997年に開始され、428学会の1400種類の雑誌、合わせて362万の論文を電子化してきた。電子化された論文は全て、同研究所が提供する学術コンテンツサービス「CiNii」で公開されている。
事業の終了が決まった背景には、1999年に科学技術振興機構(JST)によって始められた「J-STAGE」の存在がある。J-STAGEは日本の科学技術情報の電子化や、インターネットによる科学技術情報流通の促進などを目的としており、学術情報のデータベースとしてはCiNiiと並ぶ存在。
今回、国の方針によって電子化への支援をJ-STAGEに一本化することが決まり、国の指導によって活動しているNIIは、ELSの事業停止を余儀なくされた。また、JSTは新たに「J-STAGE Lite(仮称)」というELS参加学協会誌の登録が可能なプラットフォームの開発に着手することが分かっている。なお、事業終了後もCiNiiは継続されるが、2016年3月末日以降、ELSからの全てのコンテンツ掲載の受付を終了するという。
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