この犯罪、予測不可能? オムニバス形式の大犯罪コメディ『罪×10』
犯罪現場をまさかのコメディに? 笑いを抑えるのも難しい、無茶苦茶なボケの数々が押し寄せるコミック『罪×10』1巻レビュー。
『男子高校生の日常』で有名な山内 泰延氏の最新作が早くもコミックスで登場。犯罪現場で起きるオムニバス形式のコメディを描いた『罪×10』(ガンガンコミックスONLINE)、第1巻をご紹介します。
罪×10で、じゅうざい。
本作はそのタイトルから連想されるように、“銀行強盗”や“殺し屋”“痴漢”など、さまざまな犯罪現場にスポットを当てたオムニバス形式の大犯罪コメディである。
……いや、大犯罪コメディってなんだ! 意味が分からないよ! と思われる方もいるかもしれない。かくいうわたしも最初はタイトルの意味が分からなかったクチである。しかし読んで数ページでその世界観は理解できるようになるので安心してほしい。
とにかく無茶苦茶なのである。無茶苦茶なボケの数なのである。北斗百裂拳並みにボケが激しく押し寄せてくるのである。お前はもう死んでいるどころじゃないレベルで笑いが止まらなくなってしまうので、本作を電車の中で読もうとする際にはぜひとも気をつけて頂きたい。さもなければ、ひとり笑ってはいけない電車24時を開催することになってしまうだろう。
また、本作はオムニバス形式の作品のため、多少の登場人物の重複はあれど、基本的にどの話数から読んでも問題は生じない構成になっている。筆者は第2話「殺し屋編」で初登場した女スナイパーのツッコミがお気に入りで、彼女がツッコミを入れるたびに笑いが止まらなくなってしまったぐらいだ。
彼女に限らず、基本的に1話完結のオムニバス形式でありながらも、その後もちょくちょく登場するキャラクターは重複していくので、1巻の今のうちから読み進めておくと今後さらに楽しめるようになるだろう。
だが、もしかすると、犯罪現場を題材にした笑いなど不謹慎だと思われる方も、中にはいらっしゃるかもしれない。
その点に関しては安心してほしい。なぜならこれはコメディなのだ。
それと正直に言ってしまうとこの作品、誰が被害者なのかよく分からない。そもそも被害者が存在しているのかも分からない。むしろ被害者が加害者になっている節さえある。でもいいのだ。なぜならこれはコメディなのだ。
内容が気になった方がいらっしゃれば、ガンガンONLINEにて好評連載中の内容を確認してみるのもオススメだ。
恐らく読み終えた後に、すぐさまコミックスが欲しくなると思われるがあまり深いことを考えず、肩肘張らずにとにかく一度読んでみてほしい。
なぜならこれはコメディなのだから。
(評:ラノコミどっとこむ編集部/やまだ)
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