アドビ、Googleと共同開発したオープンソースのCJKフォント「Source Han Sans」を公開
フォントベンダーも巻き込んだApacheライセンスのCJKフォント。AdobeとGoogle双方のラテン文字フォントにも対応できるようにしていることなども特徴。
アドビシステムズは7月16日、日・中・韓の3カ国語と、ラテン・キリル・ギリシャの各文字をサポートするオープンソースフォント「Source Han Sans」をリリースした。開発はGoogleとのタッグで行われた。
Source Han Sansは、Pan-CJKの新しいデザインの書体で、日・中・韓のほか香港や台湾の文字セットにも対応。各フォントは現時点でのOpenTypeの限界である65525グリフ(字体)を収録、それぞれ7種類のウェイト(太さのバリエーション)が用意されている。
約4年前、GoogleがオープンソースのPan-CJKに興味を示したことで、アドビとの共同開発がスタート。当時すでにSource Sansの開発に着手していたアドビに、Googleが開発費用の提供などを行う形で進められた。フォントは言語ごとに契約フォントメーカー(イワタ、Changzhon SinoType、Sandoll Communication)が作成している。
フォントデザインの監修を担当したのは、アドビ日本語タイポグラフィ シニアデザイナーの西塚涼子さん。「かづらき」「りょう」などのフォントデザインでも知られる彼女は、この日開催された発表会の席上で、新書体について「漢字、カナともにモダンなイメージに仕上げた」「モバイルデバイスから見ることも意識したデザインにしている」と語った。
OTC(Open Type Collection)、OTF(Open Type Font)、地域別サブセット(日本語・韓国語・中国語繁体字・中国語簡体字)の3つの形で提供されており、総計で42フォント。字形は同じ文字であっても統一させてはおらず、国ごとの特徴を生かした形にしている。フルセットのフォントでも19Mバイト未満。なお、日本語名の「源ノ角ゴシック」はSource Han SansのSourceから取って名付けられたという。
同日、GoogleからもGoogle Note Fontsで「Noto Sans CJK」として、そのほか、SourceForgeやGitHubでも無償でダウンロードできるようになっている(これらのライセンスはApache License 2.0)。Adobe Typekitでは地域別サブセットのOTFのみが提供されている。
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