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本屋探訪記:週末は「古書ほうろう」で読書の秋を満喫

BOOKSHOP LOVER=本屋好きがお届けする詳細な本屋レポ。本屋が好きならここに行け! 前回の「古書 信天翁」に引き続き、東京・日暮里の「古書ほうろう」を紹介。

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 古書しんて……いやアホウドリの後はようやくお目当ての「古書ほうろう」である。去年の不忍ブックストリート以来だ(以下は2013年10月13日の記録だ)。

 日暮里駅を下り、谷中銀座を直進すると大通りに出るので右折する。真っ直ぐ行って不忍通りが見えてきたら左を向こう。そこが古書ほうろうだ。店舗前の空間が広いのが嬉しい。店頭写真を撮りやすいのだ。

 店頭の100円コーナーを横目に店内に入るとかなり広いのに驚く。いや、広いというよりは“深い”か。奥に伸びた店内なのである。ごちゃごちゃ感が古本屋らしい。

本棚に囲まれたギャラリー

 たくさんの本棚に囲まれる店内だが、中央にはちょっとした空間がある。ギャラリーとして使っているのだろうか。このときは「ひとりキノコフェス」なる愉快な展示が行われていた。キノコフェス……しかも一人で……その素晴らしいセンスに心打たれたのは公然の秘密だw

古本と新刊

 古本屋らしい古本屋である。ガラスケースの中にある貴重そうな古書、足元の箱の中にある雑誌や大判書。CD・DVD、児童書、200円均一コーナー、ごちゃ混ぜ感が堪らない。

 「古書ほうろう」というから古本だけかと思ったらそうでもないらしい。これは他で聞いた話だが、最近は古本屋でも新刊書などを使って工夫をしなければ大変になってきたのだという。新刊と古本の境目が曖昧になってきているということだろうか。確かに小さい古本屋で小さい出版社の本が売られていたりすると嬉しくなってしまって買ってしまう。文脈が近いのかもしれない。

あって嬉しい古本屋

 棚をすべて紹介すると大変なので概要を述べていくに留めておく。とはいえこれだけでは伝わらない部分が多いのは当然で、だからこそ実際に訪れてみてほしい。こういう古本屋がこの規模であるということが嬉しくてたまらなくなるから。

棚の概要

 さて、棚の概要だ。新入荷コーナーはもちろん。江戸東京という地域ものに旅もの、文学は日本も海外も当然あり詩歌・俳句もカバーする。

 宗教や思想など人文系のハードな本も取り揃えていればデザイン・アート系の見ていて楽しい本もある。CD・DVDも若干ながらあり近くには音楽や映画の本。

 特徴的なのがしっかりジャンル分けされていることだ。映画だったら映画、思想だったら思想という札が棚にちゃんと差し込んであるのだ。さすがにぜんぶがかばーしきれていないようだが、ともすれば物量に圧倒されてしまいがちな古本屋においてこういう心配りは嬉しい。

古書ほうろうで買うならこれだ! BOOKSHOP LOVERの選ぶ本6冊

 そんな満遍なく取りそろえのある古書ほうろうであるが、この圧倒的な物量に埋もれ喜びの波に溺れながらぼくが「これは欲しい」と思った本を6冊紹介しよう。

  • 『花森安治 戯文集2』
  • 『ル・コルビュジエの生涯』
  • 『アメリカ音楽ルーツ・ガイド』
  • 『はてしない物語』
  • 『アンティーク・ショッピングガイド』
  • 『編集者の食と酒と』

こんな街の古本屋が欲しい

 広く深い店内に幅広い品ぞろえ、お買い得コーナー。どこかを思い出す。池袋の「古書往来座」だ。

 上記の記事で僕は古書往来座を「街の古本屋」と表現した。クラシックな古書店にはない和やかな雰囲気がそこにあったからだ。

 「古書ほうろう」にもそれがある。幅広い品ぞろえやご近所の方とのやり取り。小まめに配置された椅子でゆっくり吟味するお客さん。本好きが自然と集まる場が「古書ほうろう」なのだ。本好き本屋好きとしてここに行かなければモグリである。

 谷根千にお越しの際にはぜひ寄って行ってほしい。

著者プロフィール:wakkyhr

本屋開業を目指す本屋好きサラリーマン。ブログ「BOOKSHOP LOVER」を中心に活動。同名のネット古本屋も営み、「Cannes Lions 2013 Book Project」ではプロデューサーを務める。理想の本屋さんを開くべく本の世界で縦横無尽に活動中。好きな作家はクラフト・エヴィング商会。一番好きな本屋は秘密。

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