「デジタル古書」の未来がクリスマス前の23日に決まる
現地時間12月23日に判決予定。判決の行方によっては、デジタルコンテンツに関する所有権のとらえ方が変わるかもしれない。
デジタル古書店の概念が、2014年12月23日に決められようとしている。この日、オランダの裁判所が出版社団体とオランダの電子書籍中古オークションベンチャーのTom Kabinetのいずれが正しいのか、決断を下すのだ。デジタル古書の未来は、この判決にかかっている。
アムステルダム地方裁判所は7月、オランダの出版社団体に提訴されたTom Kabinetの営業継続を認める判決を下した。出版社団体側は、Tom Kabinetは著作権を侵害していると確信しており、その言い分にも一理ある。同団体の調査によると、Tom Kabinetで販売されている電子書籍の9割はP2Pサイトなどからダウンロードされた海賊版という。
Tom Kabinetの論拠は、欧州連合(EU)司法裁判所が2012年に米Oracleと独UsedSoftの訴訟で下した判決だ。この判決は、“中古”ソフトウェアのライセンスの再販は合法であり、そうしたソフトウェアの製作者はいかなる再販をも妨害できないというものだ。
欧州の出版業界全体が判決の行方に注目している。Tom Kabinetに有利な判決が出れば、デジタル古書を販売する古書店が何百も誕生するブームになるだろう。それは出版業界全体にとっては有益なことかもしれない。ここ数年の間に、小規模な古書店が激減しているのだから。
関連記事
- オランダのアムステルダム地方裁判所「電子書籍の中古販売は合法」
自由を尊重する国、オランダでの興味深い判断。 - 「デジタル古書」が間もなく実現か
電子書籍を購入した私はそれを他人に譲渡すらできない――それが電子書籍の現状だ。しかし、欧州司法裁判所が「電子製品のライセンスは顧客間で再販可能」と表明されたことで、デジタルコンテンツに関する所有権のとらえ方が変わるかもしれない。
関連リンク
Copyright© 2015 Good E-Reader. All rights reserved.
(翻訳責任について)
この記事はGood E-Readerとの合意の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。