文藝春秋は、1月7日に発売した文芸雑誌『文學界』2月号の増刷を決定した。1933年の創刊以来初となる。
『文學界』2月号はお笑いコンビ「ピース」の又吉直樹が執筆した文芸誌デビュー作『火花』掲載で話題を集めており、発売初日で品切れとなったため増刷に踏み切ったという。
『火花』は芸人である「僕」を語り手に、才気あふれる先輩芸人と過ごした濃密な青春を描いた中編小説。冒頭部分は『文學界』オフィシャルサイトで立ち読みが可能、単行本の刊行は3月を予定している。また、増刷に対し武藤旬編集長や作者のピース・又吉さんがコメントを寄せている。
鋭い観察眼と独自の文体を持っている。知名度のあるタレントだからではなく大型新人作家として大きく扱いたいと思った。ふだん文芸誌を手にとらない10代、20代にもよく売れている。それだけ普遍的なテーマ性と、ポピュラリティーを兼ねそなえた小説だからではないか。(『文學界』武藤旬編集長)
今回、「火花」という小説を文學界に書かせていただきました。今まで書いた文章のなかで、もっとも長いものになりました。僕は、人間を深く掘り下げた小説に何度も救われてきました。「火花」は自分なりに人間を見つめて書いた作品です。小説好きの方はもちろん、普段読まない方にも漫才だと思って読んでいただけると嬉しいです。すみません、ボケるの忘れてました。劇場にも毎月立っていますので、ぜひ遊びに来てください。(ピース・又吉直樹)
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