Interview:技術に自信,オープンなエクスチェンジを展開するSAPマーケッツ

【国内記事】 2001.07.06

 SAPマーケッツは,SAPの100%出資子会社で,「Enterprise Buyer」に代表される電子調達ソリューションを提供している。同社の技術と戦略について,アジア太平洋地域を統括するツィア・ユサフ氏と,アジア太平洋地域担当マーケティングディレクター,ランチャンド・ラメッシュ氏に話を聞いた。

ツィア・ユサフ氏(右)とランチャンド・ラメッシュ氏(左)

eWEEK SAPマーケッツの提供するソリューションについて教えてください。

ユサフ 電子調達を実現するEnterprise Buyerをはじめ,コマースワンと共同開発した「MarketSet」,そしてmySAP CRMソリューションに位置する売り手側ソリューション「Internet Sales」を提供しています。

eWEEK SAPと競合するバーンやピープルソフトもSAPマーケッツのパートナー企業となっていますね。

ユサフ われわれは技術に自信を持っていますから,完全にオープンです。顧客企業は,さまざまなシステムを持っていますから,どことでも接続できなければいけません。もちろん,SAPと接続するのが最も容易ですが,あらゆるシステムと接続するのが理想です。

eWEEK SAPとコマースワンとタッグを組んでいる3社提携では,具体的にどのようなビジネスを展開しているのでしょう?

ラメッシュ SAPマーケッツとコマースワンが共同で製品開発を行っています。コマースワンは,プライベートなエクスチェンジを構築するソフトウェアに強く,SAPの血を引くわれわれはエンタープライズを支援するための実行系ソリューションやコラボレーションに強みを持っているので,補完的な関係と言えます。

eWEEK つまり,SAPマーケッツが開発戦略を担当し,コマースワンの技術力によって,その戦略をソフトウェアに落とし込むというイメージでいいのでしょうか?

ラメッシュ その通りです。われわれは,B2Bの視点でコラボレーションにフォーカスしています。ちなみに,SAPにはSAPポータルズという子会社もありますが,彼らもコラボレーションという観点から製品を開発しています。

eWEEK 現在,アジア太平洋地域で最もホットな市場はどこですか?

ユサフ 韓国,オーストラリア,ニュージーランドでも積極的にビジネスを展開していますが,最も重要視するのは日本市場です。私はこの滞在期間中,さまざまな業界の人と会って話をします。今は,コマースワンの既存顧客をMarketSetにアップグレードさせるビジネスを中心に進めています。

eWEEK コマースワンは,大企業向けに「MarketSite」を提供していました。これと比べてMarketSetはどのような機能が強化されたのでしょうか?

ユサフ さまざまな強化点があります。MarketSetで直接材の電子商取引を実現できるようになりましたし,SCP(需要予測系エンジン)やPLM(Product Lifecycle Management),ビジネスインテリジェンスなどの機能を利用できるようになりました。

eWEEK mySAPプラットフォームを構成するモジュール群と連携できるということですか?

ユサフ もちろん,連携させることはできますし,そちらの方がより最適なソリューションを提供できますが,必要最小限の機能をMarketSetに実装しているということです。例えば,SAPはSCPモジュール「APO」を持っていますが,その中で必要とされそうな最小限の機能を実装していると考えてください。

eWEEK 将来,例えばSCPにi2テクノロジーズやマニュジスティックスのソフトウェアを利用する企業向けに,これらと連携させることもあるのでしょうか?

ユサフ 現在のところ,まだ対応できていませんが,その方向にあります。

eWEEK MarketSetの登場で,Enterprise Buyerはどのような位置付けになるのでしょう?

ユサフ Enterprise Buyerは,企業内の基幹システムと緊密に連携するシステムで,調達業務プロセスを最適化することもできます。これに対してMarketSetは,ホスティングして利用することを前提に構築されています。用途が異なるので,並行して販売していきます。

eWEEK ホスティングして利用するMarketSetは,どのような料金体系となるのでしょう?

ユサフ SAPのユーザーライセンスでは,どれだけアプリケーションを追加しても,利用するユーザー数が変わらなければ同じライセンス料が適用されます。ただ,MarketSetのようなシステムには,さまざまなユーザーがログインしてきますので,正確にユーザー数を把握できません。このため,ユーザー数無制限のレベニューシェアライセンスを適用しています。つまり,取り引き金額に比例してライセンス料としています。

 このようなエクスチェンジでは,どれだけの金額が取り引きされるかが重要です。もし1対1のエクスチェンジで取り引きが月に1度しか行われなくても,その取り引きが巨額であれば,そのエクスチェンジの価値は高いと考えています。

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[聞き手:井津元由比古 ,ITmedia]