アナログ情報はアナログのままで,好かれないけど嫌われないソフトブレーンのSFA

【国内記事】 2001.07.06

 7月6日,SAPのユーザーカンファレンス「SAPPHIRE 2001,TOKYO」のブレイクアウトセッションに,先ごろCRM分野でSAPジャパンと提携したソフトブレーンの宋文洲会長が登場した。留学中の1989年,天安門事件が発生したために日本に居ついてしまったという同氏は中国出身。さまざまな企業がSFA(営業支援)ソフトウェア導入に失敗した原因を分析し,同社のSFAソリューションの優位性をアピールした。

ソフトブレーンの宋文洲会長

 ソフトブレーンは,営業支援パッケージである「eセールスマネージャー」をはじめ,さまざまな業界向けパッケージを提供する企業。これらのパッケージを統合し,データマイニングエンジンなどで構成されるCRMプラットフォームの提供も行っている。

 宋氏は自身の経験を振り返り,「今まで営業マンからSFAを売ってくれと頼まれたことはない。SFAは,現場に嫌われるツールなのだ。そこで,私は開発コンセプトとして“営業マンに嫌われない”ことを第一に考えた」と話し,「営業マンに好かれるSFAツールなどあり得ない」とあっさり認めてしまう。

 実際の営業現場では,SFAへの拒否反応が強く,だれにも使われないSFAがそのまま放置されている企業もあるという。宋氏も,「SFAは,決して営業マンのためのツールではない。企業戦略のため,企業の付加価値を高めるためのもの」と話している。

 企業は,営業マンのナレッジを蓄積し,企業の資産として利用したいと考える。これに対して忙しい営業現場では,SFAのためにデータを入力する時間を割くことに抵抗がある。これは,トップセールスマンになるほど顕著で,彼らは「SFAがなくても売れるのに,なぜ利用しなければならないのか」と考えてしまうという。

 この日の講演で宋氏は,SFA導入に失敗するさまざまな要因を挙げたが,中でも「管理志向が強すぎる」ことと「有線ネットワークに依存」してきたことの問題を強調した。

 宋氏「社長とシステム部長のためにわざわざ入力する。そのために営業時間が減ってしまう。現場のやる気は確実になくなる」と話す。また,iモードが出てすぐのころから,同社がモーバイルにフォーカスしていたことを紹介した。現在同社のSFAは,iモードだけでなくEZwebやJ-skyにも対応している。

 また同社製品の特徴は,ユーザーインタフェースから文字入力を排するなど,あらゆる面で「シンプルさ」にこだわっていることだ。蓄積するデータ項目を制限してしまう選択にも見えるが,逆に宋氏は複雑すぎるデータはシステムに馴染まないと考えている。

「システムでカバーするのは,ある程度のニーズを満たせる領域だけでいい。アナログ情報は,会議やミーティングで共有するべきだ。アナログなデータをデータベースに蓄積していても,それは単に蓄積するだけで活用できない」(宋氏)

 宋氏は,同社のサポート体制が充実していることや,さまざまなシステムと統合できる柔軟性も紹介し,「自社で導入すると,基幹システムとのインタフェース構築が必要だが,SAPのシステムとはシームレスに連携させる。SAPと共に具体的なソリューションを提供したい」と話して講演を締めくくった。

関連リンク

▼SAPジャパン

▼ソフトブレーン

[井津元由比古 ,ITmedia]