Windows XP? まずはMSN Explorerをお試しあれ

【国内記事】2001.10.24

 航空機自爆テロの傷が癒える間もなく,バイオテロの恐怖に揺れるニューヨークで10月24日,パソコン業界の期待を一身に担った次期OS「Windows XP」のロンチイベントが行われた。

 安全に対する配慮を理由に幾つかのイベントが控えられる中,ニューヨークのルドルフ・ジュリアーニ市長は,テロに屈することなく,予定どおり出荷前日のイベントをニューヨークで開催するようマイクロソフトに要請していた。

 イベントの規模はニューヨークのロンチイベントに遠く及ばないものの,東京の秋葉原で,いかにもアキバらしく「午前零時のカウントダウン」でWindows XPのデビューを祝った。米国市場でもWindows XPをプリインストールしたPCが先行発売されているが,アキバは「OEM版」の先行発売だ。

 OEM版とは,本来オリジナルブランドのPCを製造,販売するショップなどのためにマイクロソフトが用意した少量のOEMライセンス方式で,プリインストールされて提供されるのが前提。直接エンドユーザーに販売されるものではないが,ベアボーンPCなどが人気を得る中で,いわゆる自作PCを組み上げるユーザーに対してもパーツとセットで販売されているようだ。OS以外にもOfficeスイートもある。

 OEM版といっても,最近ではメモリやFDDと組み合わせた,抜け道的な販売もあり,少しでも早く新OSを手に入れたいマニアには,もう1つのカウントダウンとなっている。昨年9月にリリースされたWindows Meのときにも,わずか1週間だがOEM版が先行発売されている。

 しかし,マニアにはうれしいが,フツウの人たちは,「そんなことより,Windows XPでパソコンはどうなるの?」というのが本音だろう。Windows 95や98のときメーカーが笛を吹けば消費者は踊ってくれたが,もうそんなことは期待できない。

 マイクロソフトでは,「ブロードバンド時代の新しいプラットフォーム」と位置付けているが,それもいまいちよく分からない。ユーザーインタフェースの一新? それだけでPCを買うご時世じゃない……。そう考えている人には,試しに「MSN Explorer」を使ってみることをお勧めする。

 MSN Explorerは,MSNサイト専用にカスタマイズされた統合ブラウザだ。ベースにはInternet Explorerを使い,Windows Media PlayerがMSN Messengerなどがうまくパッケージされている。フリーメールのHotmailやMSNのコミュニティーサービスも,このMSN Explorerでかなり使いやすくなる。

 MSN Explorerでは,マイクロソフトが強力に売り込むシングルサインイン用の認証サービスであるPassportや,それを基盤とする「.Net My Services」の一部の機能を垣間見ることもできる。

 マイクロソフトは,Windows XPを.Net構想にとって重要な製品と位置付け,MSN Explorerと,ビデオ会議もサポートするWindows Messengerを標準搭載するが,MSN Explorerに関してはダウンロードして既存のWindows OSでもすぐに利用できる。

 最大9ユーザーまで登録できるMSN Explorerのサインイン画面は,Windows XPのそれに似ているし,フォトアルバムのようなMSNのコミュニティーサービスを利用するときのユーザーインタフェースもWindows XPと同じだ。「タスク」という考え方が取り入れられ,ビギナーでも何をやりたいのかを選んでいくことで迷わず多彩な機能が使える。ウイザードが進化して脈絡を意識してくれるようにスマートになったものと考えればいい。

 フォトアルバムでは,マイクロソフトのPicture It!の画像編集機能が一部利用でき,サービス化する.Net時代のアプリケーションも体感できる。

 とかく雲をつかむような.Net My Servicesだが,MSNのカレンダーサービスでは,「.Net Alerts」と呼ばれる通知機能も既に提供されている。この.Net Alertsを使うと,知りたい情報をMSN Messengerを介して,デスクトップにポップアップ表示させたり,メールで知らせることができる。

 今のところ,仕事のアポイントメントやガールフレンドとの記念日などをあらかじめ設定しておくと,リマインドのための通知をしてくれるにすぎないが,アプリケーション開発者やサービスプロバイダーが.Net Alertsを利用することでさらに高度なサービスを生み出すこともできる。

 マイクロソフトでは,.Net Addressや.Net Profile,.Net Contacts,.Net Location,.Net Inboxなど,数え切れないサービスを「Hailstorm」というコードネームで開発してきた。まさに,マイクロソフトが目指すインターネットアプリケーションのプラットフォームだ。

[浅井英二 ,ITmedia]