「MPLSベースのイーサネットで譲る気はない」というリバーストーン
| 【国内記事】 | 2002.4.12 |
東京,大阪などの大都市を中心に,スイッチとVLANといったレイヤ2の技術を用いて高速な接続環境を提供するイーサネットサービスが徐々に広がっている。イーサネットというLANではなじみの深い技術を用いており,高速接続を比較的安価に実現できること,プロトコルの制限がないこと,またVLANによって一定のセキュリティが確保されることなどが評価されている。
問題は,こうして各地域で構築したイーサネットサービスを,どうやって拡張していくかだ。例えばVLANの場合,設定できるタグは4096個まで。この数で全国規模のサービスを展開するのは現実的ではない。VLANをさらに入れ子的(スタッカブル)に拡張する規格も存在するが,実装は各ベンダーに依存することがネックになる。
そこで注目されているのが,MPLSを利用し,透過的なレイヤ2トランスポートサービスを実現するための規格群だ。
具体的には,ポイントツーポイント(P-P)の仮想ネットワークを実現するDraft-Martiniと,ポイントツーマルチポイント(P-MP),つまりフルメッシュの接続を実現するDraft-Kompella/Lasserreである。
後者では,VPLS(Virtual Private LAN Service)やTLS(Transparent LAN Service)など呼び方は異なるが,各地に分散するレイヤ2ネットワークを,高い拡張性を備えながら,シームレスに接続できることを目的としている。またこの場合,イーサネットのみならず,ATMやフレームリレーといった既存のレイヤ2媒体も収容できることもメリットだ。
この分野でリーダーシップを取ってきたベンダーの1つが,リバーストーン・ネットワークスだ。同社はレイヤ3 IP-VPN(RFC 2547/RFC2547bis)のみならず,MPLSベースのイーサネットサービス,つまりEthernet-over-MPLS(EoMPLS)を実現するためのドラフト策定作業に関わりながら,製品への実装を進めてきたという。
既に,各地のイーサネットサービスをつなぎ,プラットフォームとして提供するサービスも存在する。これに対し,同社技術統括本部でプロダクト・マーケティング・マネージャーを務める花輪一樹氏は次のように反論した。
「確かに現時点でも,DWDMやSONETを利用してレイヤ2サービスをつなぐことはできる。しかしこれらは単にコネクティビティを提供するだけ。これに対しP-MPのMPLSでは,ルートを明示的に示すことができ,トラフィックエンジニアリングや冗長性の確保,帯域の予約が実現でき,付加価値の高いネットワークを実現できる」
したがって,「現在のレイヤ2サービスは,いわば“プレMPLS”サービスだ」(花輪氏)だという。
とは言うものの,ファウンドリーネットワークスやシスコシステムズなど他のプレイヤーもまた,レイヤ2 MPLSやEoMPLSの実装を進めている。しかし,「われわれの製品では,デモ環境とはいえ,ポイントツーマルチポイント(P-MP)のMPLSが実際に動いている」(花輪氏)。そして,リリース文書の中の話ではなく,現実にP-MP MPLSを動かしているベンダーは他にないとした。「MPLSベースのイーサネットの分野で譲る気はない」(同氏)
ラインナップをエッジにも拡張
同社はこの3月に,コンパクトかつローコストのレイヤ3スイッチ「ES 500」をリリースしている。これまでのルータ製品群「RSシリーズ」は,主にコアからバックボーン,メトロにかけての市場をターゲットとしてきたが,ES 500はぐっとアクセス〜エッジ寄りの製品だ。
1Uサイズのきょう体に,10BASE-T/100BASE-TXを24ポート,ギガビットイーサネットを2ポート搭載。このスペックからは自ずと競合製品――エクストリームネットワークスの「Summit 24」やシスコシステムズの「Catalyst 3550/2950シリーズ」――が想定できるが,それらに比べかなり競争的な価格を付けるという。出荷は5月の予定だ。
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| 花輪氏とES 500。この製品の追加により,コアからアクセスまでをカバーするラインナップができたという |
特徴としては,アクセスコントロールリスト(ACL)による制御,レートリミティングといった機能に加え,IEEE 802.1x準拠の認証機能を搭載していることが挙げられる。これにより,RADIUSサーバなどと連携しながら,ダイナミックなユーザー認証が実現できるという。
花輪氏はまた,今年は市場が加熱しそうな10ギガビットイーサネット(10GbE)対応計画にも触れた。同社では現在,10GbE対応モジュールの開発を進めており,市場からのニーズにもよるが,秋頃には投入する見込みという。それも,普通の10GbEモジュールに加え,各ポートにMPLS ASICを搭載した「10GbE MPLSモジュール」を用意する計画だ。
「機能をハードウェアASIC化し,ノンブロッキングのスループットを実現していくというのがリバーストーンの方針。MPLSも例外ではなく,既にP-P MPLSはハードウェア化しているし,P-MPも,今の時点ではソフトウェアで実現しているが,そう遠くない時期にハードウェア化を完了する」(花輪氏)
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[高橋睦美 ,ITmedia]

