i2 PLANET 2002 Tokyo Keynote:バリューチェーンの最適化で企業間コラボレーションを実現するi2
| 【国内記事】 | 2002.4.23 |
「ソフトウェア会社なのに,CEOとCOOがそろっても,ソフトの話を一切しない。珍しい会社でしょ? それは,ソフトが大切なのではなく,リアルのビジネスで発生する問題の解決法こそが大切だからです」
4月23日,i2テクノロジーズの中根滋COOは,サンジブ・シドゥCEOと共に出席した午後の記者会見でこう話した。その言葉どおり,初めて日本で開催される同社のプライベートショウ「i2 PLANET 2002 Tokyo」のオープニングを飾る基調講演でシドゥ氏は,企業がどのような問題を抱えていて,それを改善すればどれほどインパクトがあるのかについて話した。
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| サンジブ・シドゥCEO |
講演の冒頭で同氏は,「少品種大量生産の“サプライサイドの経済”は終わり,“ネットワーク経済”の時代がやってきた」と話す。
ネットワーク経済の時代,デマンドチェーンの末端に位置する顧客は,自分のニーズを満たせる商品だけに魅力を感じ,さらにその商品に価格競争力も求める。
企業がこうした要求に対応しつつ,収益性を高めていくためには,従来のマスプロダクション向けの在庫管理手法だけで満足すべきではない。商品の多様化で在庫管理が複雑性を増す今,在庫を最適な状態で維持するためには,この時代に合ったバリューチェーン管理ソリューションが必要になるはずだ。
シドゥ氏は,「日本企業は,今でも多くの在庫を抱えていて,計画サイクルも長い。これにより,企業間の情報伝達が遅れてしまい,販売機会をロスしている」と話す。
サプライヤー,製造メーカー,販社,そして小売りを経て顧客へと繋がるバリューチェーン。ここに登場する企業が,それぞれ企業内最適のためのソフトウェアを利用している場合でも,取引先からの情報が遅れれば遅れるほど,在庫が積み上がってしまったり,逆に在庫が底をついて販売機会を喪失してしまう可能性が高くなる。
「企業間で情報が分断されている場合,デマンド側で需要が増減すると,徐々に,まるでムチがしなるような現象が起こる。例えば,需要に少しの変化が起こっただけで,サプライ側にさかのぼっていけばいくほど,大きな在庫の増減が発生してしまう」(シドゥ氏)
この日の講演で同氏が最も強調したのがこの部分だ。例えシステムが存在していても,企業ごとに分断されているために,せっかくの新鮮な情報が伝わらない。また,大量のPOSデータをそのまま伝送するだけで,データそのものにインテリジェンスを持たせなければ,どのデータが重要で,どれを捨てていいのか分からなくなる。さらに,在庫計画を月次で実行しているようでは,実需に迅速に対応することは不可能だし,バリューチェーンを構成するメンバーが一様に月次で計画を立てているようでは,情報が末端に行き着くまで相当の期間を要する。
この問題を解決するためには,企業間プロセスの制約条件を加味した計画立案能力を持つことと,デマンド側/サプライ側の情報を迅速に同期させることが必要になる。こうした仕組みを企業のビジネスプロセスに取り込ませ,バリューチェーン全体への可視性を提供することで,企業利益を最大化させると共に,顧客/サプライヤー/パートナー満足度の向上も実現させるというのが,i2の壮大なビジョンである。
「月次や週次の計画から,イベントベースの計画へと変革し,取引先との情報共有で企業間コラボレーションを実現すれば,マスプロ用の古いビジネスプロセスから脱却し,(i2ユーザーである)デルやベストバイのような高利益体質の企業に生まれ変われる」(シドゥ氏)
なお,この日,脇役に回ってモデレーターを務めた中根氏は,最後をこんなメッセージで締めくくっている。
「9月11日のテロがあっても,在庫量が変わらなかった企業が1社だけある。それは,デルだ。彼らは2時間ごとに(i2のソフトウェアを使って)在庫計画を見直している。ライバルと比べて傑出した機能のある製品を持つわけではないデルが優れた経営を行っているのは,迅速に問題に対応できる能力があるためだ」
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[井津元由比古 ,ITmedia]

