i2 PLANET 2002 Tokyo Keynote:日本企業は製造力を生かし,バリューチェーンの統合で差別化せよ
| 【国内記事】 | 2002.4.23 |
4月23日,i2テクノロジーズのプライベートショウ「i2 PLANET 2002 Tokyo」の基調講演に,アクセンチュアで戦略的変革研究所の所長を務めるトーマス・ダベンポート氏が登場した。同氏は,i2のサンジブ・シドゥCEOと共に,中根滋COOがモデレーター役に回ったディスカッションにも参加し,日本企業に勇気を与えるべく,「日本企業の強みは健在」というメッセージをさまざまな角度から明らかにしていった。
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| トーマス・ダベンポート氏 |
講演の冒頭で同氏は,「私はボストンに住んでいるので,レッドソックスの大ファンなのだが,息子の部屋はイチロー・スズキのグッズでいっぱいだ」と話す。
「彼は,日本国民が世界の舞台で立派にやれることを体現している。そして,私は,日本企業も同様に国際的な競争力のある存在だと考えている」(同氏)
しかし,グローバルに拡大するバリューチェーン最適化手法が現実的手段となりつつある今,企業が製造部門を人件費の割安な海外にシフトさせる例は,枚挙に暇がない。ダベンポート氏によると,これからの日本は,優れた製造力を生かして,製品を創造するための頭脳として機能する「神経の中心」になるべきだという。
同氏は,日本企業が業態をサービスへとシフトさせ,グローバルに展開するサプライチェーンを統合することで,ライバルと差別化することが現実的と強調する。せっかく日本独自の技術があっても,それをビジネスをより良くするために使いこなせていないと厳しい見方も示した。
「ワイヤレス技術で日本はナンバーワンかもしれない。ただ,着メロのダウンロードがデータサービスで最もホットな分野になっている現状は,まだビジネスとして未成熟であることを物語っている」(同氏)
同氏によると,既にシンガポールでは,タクシー料金の支払いを携帯電話で行うサービスが実用段階に入っているという。このように,技術をビジネスアイデアに昇華させ,それを迅速に実用レベルへと高めていくことが日本企業に求められるというのだ。
ただし,日本企業がサービスへとシフトするとしても,どこかで製造を行わなければならない。ダベンポート氏は,実際に製品を製造する場所が人件費の割安な海外になると考えている。部品を集約する組み立て工場や,各種の部品を製造する工場など,グローバルに分散する拠点網を適切に管理しなければ,「サービス・アイデアにフォーカスする製造業」という新たな業態は成立しない。
同氏は,「企業をサービスへと変革して,グローバルなバリューチェーンを統合するには,高度なソフトウェアソリューションが必要」と話す。リアルタイムにサプライ側とデマンド側をリンクさせ,企業間・拠点間のコラボレーションを加速することで,例え拠点が遠く離れていても,製品アイデアを迅速に製品として世に出すことができるようになる。
「つまり,i2が提供するようなソフトウェアが不可欠ということだ」(同氏)
日本企業の強み
同氏は,「日本人は,取引先をとても大切にする。これは,世界最高のSRMノウハウと言えるだろう。日本企業は,コスト面だけでサプライヤーをランク付けし,失敗した米国企業の二の轍は踏まないはずだ」と話す。
また同氏は,ビジネス書の良好な売れ行きに示される情報を重視する日本人の国民性や,優れた教育水準による人材の豊富さも賞賛した。
「日本の強みは健在だ。しかし,日本企業はより効率的な存在へと変革しなければならない。それを推し進める原動力として,優れた多くの人材がいるではないか」(同氏)
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[井津元由比古 ,ITmedia]

