i2 PLANET 2002 Tokyo Keynote:「CPFRを超えるi2ソリューションで小売業者の変革を」――i2幹部

【国内記事】2002.4.24

 4月24日,日本では初の開催となるi2テクノロジーズのプライベートショウ「i2 PLANET 2002 Tokyo」の基調講演に,同社の製品マーケティング担当上級副社長,スティーブ・ロビンソン氏が登場し,小売り業界が最新のバリューチェーン管理手法を実行することで,大幅なコスト削減と売り上げ増を実現できると話した。

スティーブ・ロビンソン氏

 ロビンソン氏はi2入社前,ウォルマートでi2導入プロジェクトの責任者を務めていた。最近,西友と包括提携した世界最大の小売業者であるウォルマートは,複数の取引先との間でCPFR(Collaborative Planning, Forecasting, and Replenishment)を実現している企業としても知られている。同氏は,そのユーザー経験から,日本でも最新の製販協力方法論として注目を集めているCPFRや,取引先が持つ情報に可視性を与えるツールを使って,小売業者が生まれ変われるという。

 CPFRは,小売業者と製造業者が手を取り合って販売計画の立案(Plannning)や,製品/需要/供給動向の予測(Forecasting)を行い,最適な在庫補充(Replenishment)を可能にするという企業間の取り決め。初期はシーファー(CFAR:Collaborative Forecast And Replenishment)と呼ばれていたが,これに新たにPlanningを加え,今の姿になった。

 システムという側面からCPFRを見ると,企業間で情報を共有するためのデータフォーマットやアプリケーションそのものに目が行きがちだが,システムはツールに過ぎず,企業間でビジネスプロセスを取り決めることの方が大切だ。具体的には,共有すべきデータの洗い出しや,渡したくない情報を開示しなければどれくらい効率性が損なわれるかを算定する作業などが発生する。

 この1対1のやり取りは,すべてリアルタイムに動いているビジネスプロセスに取り込まれる。リアルタイムのプロセスを自動化するためには電話やFAXでは不可能なほか,やり取りする情報が,加工済みのデータでなければ役に立たないため,システムがあれば格段に効果的であるということだ。

 そこにフォーカスするアプリケーションベンダーも幾つかある。例えば,ロジリティの製品は,CPFRに特化した機能を実装しているし,多くの取引先を抱えるため導入ベースの広範なウォルマートのプロジェクトには,マニュジスティックスが関わっていることも知られている。

 これらのベンダーは,i2より早くCPFRをメッセージの1つとしていた。ソリューションが実際にCPFRプロジェクトに使われていながら,同社がそれを言わなかったのは,より広く複雑なバリューチェーン全体を最適化できるというメッセージを発したかったからだろう。

 ロビンソン氏の講演でも,CPFRは小売業者の売り上げおよび顧客満足度を向上させるDVCM(Dynamic Value Chain Management)ソリューションが持つ機能の一部であるとされた。同氏は,サンジブ・シドゥCEOが「CPFR Plus」と位置付けるi2のソリューションによって,小売業者が高収益体質を手に入れられると話す。

 企業が高い収益性を手に入れるためには,単にコストを削減するだけでなく,売り上げも増加させなければならない。同氏によれば,適切な値引きと欠品の防止で売り上げを伸ばし,原価および物流コストにメスを入れることで,この2つを同時に可能にできる。さらに,在庫を適正なレベルで維持することが必要で,在庫回転率も上げなければならないという。

 同氏は,「小売業者の痛みは,商品が多様で,かつ多くのサプライヤーを抱え,顧客ニーズが移ろいやすいことに起因する。つまり,変動が大きいのだ」と話し,実販売量が0〜16の範囲で毎日大幅に増減するPOSデータを示した。

「例えば傘であれば,天候によって売れ行きが左右される。週末に売れやすい製品や,夜にしか売れない製品があるし,地域でイベントが開催されれば,それに関連する製品が売れる」(同氏)

 このデータをインテリジェントに管理し,季節や時間で変動する要因を把握することで,顧客ニーズに合った商品陳列が可能になる。

 さらにロビンソン氏は,i2のDVCMが「CPFR Plus」として機能するバリューチェーン全体への可視性を高めることも必要であるとし,講演の最後をいかにもi2らしい言葉で締めた。

「レガシーシステムをベースにツールを利用すれば,デマンド側とサプライ側に可視性を与え,プランニングサイクルの同期が可能になる。さらに適正にフルフィルメントを実施すれば,ROA(総資産利益率:Return on Assets)の最大化が可能になる」

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[井津元由比古 ,ITmedia]