i2 PLANET 2002 Tokyo Keynote:「日本企業の競争力は言われるほど低くない」――日本IBMの北城会長
| 【国内記事】 | 2002.4.24 |
4月23日,i2テクノロジーズのプライベートショウ「i2 PLANET 2002 Tokyo」の基調講演に,IBMのアジアパシフィック社長で,日本アイ・ビー・エム(日本IBM)の会長を兼任する北城恪太郎氏が登場した。
「私にとって北城氏はIBMの大先輩。またIBMは,i2にとって世界で最も大きい顧客のひとつであり,i2と最も強いパートナー関係にある企業のひとつでもある。2日間にわたり開催されたPLANETの最後の基調講演にふさわしいスピーカーをお迎えした」――中根滋COOに招かれた同氏は,日本企業の競争力が年々低下していることから話し始めた。
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| IBMのアジアパシフィック社長と日本IBMの会長を兼任する北城恪太郎氏 |
今回のPLANET Tokyoでi2は,「日本企業は国際競争に勝てる!」と訴え続けた。トリを務める北城氏は,そのメッセージを締めくくるべく,「昔から研究開発部門と製造現場がタイトにコラボレートできている企業風土に日本の強みがある。“巧の技”と呼ばれる創造性や,継続的な改善活動……。日本企業の競争力が世界で26位と言われているが,それはおかしい」と話す。
ただし,日本企業が解決すべき問題を抱えていることも事実という。
「企業に一体感はあるものの,情報関連投資の対GDP比率は米国企業より劣っていて,まだe-ビジネスの初期段階にある企業が多い」(同氏)
同氏は,e-ビジネスが,Webによる情報検索・発信や電子商取引からスタートし,企業内統合,企業間のシステム連携を経て社会に変革を起こす発展段階へと進化すると考えている。今でこそ,ほとんどのIT企業が使う「e-ビジネス」という言葉を世界で初めて使ったのはIBMだ。同社では,企業がe-ビジネスを実現することにより,生産性を向上させ,企業そのものの変革も可能になるとしている。
e-ビジネスの初期段階では,企業間のシステム連携など夢のまた夢。i2のソリューションにしても,展示会場でデモされているリアルタイムの情報伝達の仕組みに至るまでは相当の時間がかかりそうだ。
そこで北城氏は,IBMの事例を示した。ガースナー氏がやり遂げたドライな改革が,結果としてIBMを蘇らせたことに触れ,「企業のリエンジニアリングには,終わりがない。ガースナーのやり方は,一度に大量のスタッフを解雇したことで,残った社員が会社に不信感を持たなかった点で優れていた」と話す。
IBMは,人員削減だけではなく,売り上げアップや販売費・一般管理費の削減にも取り組み,1993年と1998年を比べると,それぞれ30%増,9%減となった。その結果,財務面では1株当たり利益が-14.2ドル(赤字)から3.4ドルの黒字になった。また,i2をはじめとするサプライチェーン最適化ソリューションの採用により,納期遵守率が60%から95%に向上している。
この日の講演では,その詳細を語らなかった同氏だが,コスト削減という項目に関しては,e-プロキュアメントによりめざましい効果のあった幾つかの具体例を挙げた。日本では,e-プロキュアメントを全国展開して多大なコスト削減効果を得たという事例がまだ表に出てきていないが,IBMクラスの大企業で,システムインフラから抜本的に刷新できるだけの体力があれば,効果の出やすい分野ではある。
IBMは2000年,グローバルで430億円分の調達をe-プロキュアメントに切り換えたことで,3.8億ドルを削減できたという。一方,日本でも,e-プロキュアメントの活用で,名刺の発注先を1社に絞った。これで,購入価格を40%(年間800万円)削減できたほか,リードタイムも7日から3日に短縮できた。
「名刺そのもののコスト削減より,月次で1社に一括請求できることの方がありがたかった。請求に関わる社内処理が低減されたため,それを金額に置き換えれば,年間2400万円に相当する」(同氏)
なお,このイベントを主催するi2は,SRMソリューションとして,買収したライトワークスのe-プロキュアメントアプリケーションを製品化しているが,北城氏はどのベンダーの製品を利用したかを明らかにしていない。
そのほか,製品開発の統合,e-ラーニングの活用,そしてSCMアプリケーションを利用したグローバルなサプライチェーン統合も効果があったという。
同氏は,「特にPCは,“生鮮食品より腐りやすい”と言われるほど,製品価格がすぐ下がってしまう。そこで,部材を段階的に調達することで,“透き通った紙のように薄い”利益を維持できる仕組みを作ることが必要になる」と話す。日本IBMのPC事業では,PC製品事業部の計画コラボレーションの仕組みに,i2のソリューションが利用されている。
「サプライチェーン最適化では,倉庫内で組み立て作業をしてしまうことで効果がでる。倉庫をフルフィルメントセンターとし,i2の優れた生産計画エンジンを利用すれば,サプライチェーンの全体最適が可能になるだろう」(同氏)
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[井津元由比古 ,ITmedia]

