大手半導体サプライヤー,i2のSCMフル採用で計画サイクルを短縮

【国内記事】2002.4.24

 4月23日,i2テクノロジーズのプライベートショウ「i2 PLANET 2002 TOKYO」のインダストリーセッションに,フェアチャイルドセミコンダクターでビジネスシステムディレクターを務めるダン・ジャンソン氏が登場。i2のSCMソリューションをフルに導入してから数年を経た現在,飛躍的な効果があったことを明らかにした。

 フェアチャイルドセミコンダクターは,2001会計年度の売り上げが14億ドルの半導体サプライヤー。グローバルで1万人のスタッフを抱えている。買収にも積極的で,毎年平均2社を買収しているという。

 その数多くの買収により,同社は,「買収したそれぞれの会社が独立したシステムを持っている」という問題に直面した。買収先のシステムの多くは自社開発されたもので,単独ではうまく機能しているが,統合することは困難を極める。同社自身のシステムも,決して新しいとは言えず,スプレッドシートを活用し,ほとんどを手作業に頼っていた。それで需要を予測し,工場の生産量を考慮した上で生産計画を立てていたものの,このシステムにスピードと柔軟性がなかったのは言うまでもない。

 スピードと柔軟性の実現,および異種システムの統合――同社は,これらの要件を満たすことができる新システム導入の検討を開始した。その際,システムとの接続性を重視したため,同社の取引先企業が使っているかどうか,およびオープンスタンダードに準拠するかどうかを重視し,i2を採用することに決めたという。

「需要に対して適切に供給するための設備や人が足りていなければ,優れたシステムを導入しても効果がでるかどうかは疑わしい」と話す同氏によれば,導入に際し,まず社内プロセスを見直すことが必要になるという。

 その作業後に同社は,i2のSCMソリューションの導入をスタート。既に,マスタープランニング(MP),デマンドフルフィルメント(DF)を段階的に稼動させているほか,ファクトプランナー(FP)の導入プロジェクトも最近になって開始した。これらのモジュールは,同社が受注管理システムとして利用しているピープルソフトのERP製品が蓄積したデータを取り込み,優れた計画を立てているという。

 実際に,i2導入前のシステムで4〜5週間かかっていた計画サイクルを稼動後には5日間に短縮。「やろうと思えば1日でもできる」という同氏は,将来リアルタイムの需要予測を目指すという。

 同社ではDFを1年前に稼動させており,需要の変化を迅速にシステムが検知するといった効果が目に見えてきているという。例えば,システムが自動的に工場で作るべき個数をリアルタイムにアップデートしていってくれるようになった。この個数は,だれも参照でき,より詳細な数値が知りたければ,ドリルダウンして見ることも可能だ。

 現在のところ,MPも同社にメリットをもたらしている。スプレッドシートと手作業から脱却し,需要の増減に柔軟に対応できるようになった。これで,市場の変化に迅速に対応できるようになり,24時間以内のシナリオ修正が可能になったという。

 またFPを採用することで,旧システムでは分からなかった製品に紐付く顧客情報や,工場の処理できる量を可視化できるようにする予定だ。

 また同氏は,「ユーザーの意識や行動を変え,使ってもらえるようにすることが重要」として,彼らが新システムを受け入れるかどうかで,導入の成否が分かるという。同氏によれば,そのためのユーザー教育でも,段階的に,ユーザーが使いこなせているかをチェックする必要がある。

レポーティングも欲しい

 また,この日の講演で同氏は,i2に対してひとつだけ苦言を呈した。

「優れたレポーティング機能がなければ,だれもがせっかくの情報を理解できない」(同氏)

 現在のところ,同社はビジネスオブジェクツ製品をレポーティングツールとして活用している。

関連リンク

▼i2テクノロジーズ・ジャパン

[田宮アキヒト,ITmedia]