エンタープライズ:トピックス 2002年6月17日更新

Javaベースの国産EAIソフトで外資系主導のEAI市場に風穴を開けるDAL

 20年前の1982年9月に設立されたデータ・アプリケーション(DAL)は、当初はストラタスやタンデム(現コンパック)などのノンストップコンピュータ技術を利用したシステム構築を行うシステムインテグレーション事業を展開してきた。その後、オープンシステムであるUNIXの登場とともにパッケージ開発および販売へとビジネスモデルを変革。さらに現在、プラットフォーム非依存のJavaを利用したパッケージ開発へとビジネスを拡大している。

 この変革の理由を同社の代表取締役社長、橋本慶太氏は、「ストラタスやタンデムのようなシステムは、システムをそれぞれのマシンにあった方法で個別に開発する必要があった。そのため当時としては、SI事業により個別にシステム開発を展開する必要があった。しかし、オープンシステムであるUNIXの登場とともに個別のシステム開発でなく、パッケージによるより効率的なシステム開発に注目し、われわれのビジネスもSIからパッケージ開発・販売に移行した」と話す。

 しかし、オープンシステムであるはずのUNIXも、基本的な部分では同じだが、メーカーごとの作りこみが必要だった、と同氏。そこで、パッケージ開発の一部をメインフレームからPCまで、プラットフォームに依存しない環境でパッケージ製品開発が実現できるJavaに移行したという。

 そこで生まれたのが5月28日に発表されたJavaベースのEAIソフト「ACMS EAI」だ。同製品は,EDI分野を中心に1300ライセンスを超える採用実績があるACMS製品群のノンストップかつスケーラブルなデータ交換のための基盤技術やメッセージ標準,通信業界標準などに対応するフォーマット変換技術をベースに開発された国産EAIソフト。SAP R/3やOracle EBSなどのERPパッケージやアリバなどのECソフト,メインフレーム連携などを低価格で容易に実現する。

 ACMS EAIを開発するに至った経緯を橋本氏は、「ストラタスやタンデムのシステム開発で実践してきた、企業間のデータ通信や、企業内のシステム連携のノウハウは、プラットフォームがUNIXやWindowsが中心となった今でも必要とされている。そこで、われわれは、これまでに培ったノウハウを生かした国産のEAI製品を開発することにした」と言う。

「これまでEAIの分野では、海外製品が市場の中心となっていたが、高価な上にローカライズやサポートなど、さまざまな問題があるように感じる。われわれは、(海外製品に比べ同等の機能を実現しながら)価格を10分の1程度まで引き下げ、自社開発のメリットを生かしたサポートと、国内開発の強みである日本語環境で勝負していく」(橋本氏)

 同社はまた、現在38社を超えるパートナーと協力することで、600社以上の顧客企業に対し1200ライセンス以上のパッケージ製品を販売した実績を持つという。橋本氏は、「直販からチャネル販売に移行することができたことが、SI事業からパッケージ販売へビジネスを変革することに成功したポイント」としている。

今後の課題はグローバル対応

 ACMS EAIの特徴を、DALの常務取締役ACMS統括事業部長、武田好修氏は、「100%自社開発の国産EAIソフトであり、外資系企業の製品と同等の機能を実現しながら一桁安い価格設定が実現できること」と言う。同氏また、「本格的なEAI機能を装備し、最小限のカスタマイズにより容易に各種アプリケーションを統合することができる」と加えた。

 同製品は、発表と同時に住友商事が全社規模で導入する新しい情報交換システムの基盤として採用することも発表されている。同システムは、社内のさまざまな業務システムとSAP R/3を統合するためのもの。同社がACMS EAIを選択した理由として、SAPの認定を受けていることをはじめ、自社開発製品であることによる迅速なサポート、ロゼッタネットやWebサービス、英語版への拡張など、将来性も評価した結果としている。

 ACMS EAIでは、ロゼッタネット対応を5月中に終えたほか、今秋までにはWebサービスに向けたSOAP対応、欧州で多く利用されているOFTP対応、メールをサポートするSMTP対応、B2B標準規格であるebXML対応など、グローバル市場に向けた製品の強化、拡張を行っていく計画という。また、英語版への展開も予定されている。

DALの橋本社長(写真左)と武田常務

 武田氏は、「国内にも優秀なEAI製品があるんだということをまず認知してもらえるような活動を行っていきたい。さらに実績を挙げることで、2年間くらいでEAI市場で会社としてのポジションを確立したいと考えている」と話している。

「近々、あっと驚くような事例を発表できるだろう。われわれは、地に足の付いたEAIビジネスを今後も展開していく計画だ」(橋本氏)

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[山下竜大 ,ITmedia]