エンタープライズ:ニュース 2003/12/08 12:59:00 更新


日本で15年、世界で35年の軌跡、そしてSPSSの未来

 エス・ピー・エス・エスは11月13日、14日の2日間、同社の年次カンファレンス「SPSS OpenHouse 2003」を開催。オープニングセッションには、アジア太平洋地域担当副社長で日本に常駐しているジョン・ピーターセン氏と村田悦子上級副社長が登場し、SPSSの歴史と今後について語った。

 エス・ピー・エス・エスは11月13日、都内のホテルに1000人を超えるユーザーやパートナー企業を集め、同社の年次カンファレンス「SPSS OpenHouse 2003」を開幕した。アカデミック分野を出自とするSPSSらしく、恒例の論文発表が行われるなど、会場には学生も多い。看板のソフトウェアであるSPSSとClementineが、アカデミック/ビジネスの両分野で好調な同社。OpenHouseも、回を重ねると共に、スーツ姿が増えてきたという。

 今回、オープニングスピーチに登場予定だったジャック・ヌーナンCEOの来日はキャンセルされてしまったが、その代わりを日本に常駐するアジア太平洋地域担当副社長、ジョン・ピーターセン氏が務めた。同氏は、創業35周年、日本法人の設立以来15周年を迎えたSPSSを5年ごとに時代を区切って、その成長ぶりを紹介した。

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エス・ピー・エス・エス株式会社 アジア太平洋地域担当副社長 ジョン ピーターセン氏


 まずは製品の完成、そして企業組織の確立、PC DOS版分析ソフトウェアの出荷、Windows対応、エンタープライズ市場への進出という5段階が、その成長の大きな流れだ。詳しくは、英語版のWebサイトに記されている。そして2003年、SPSSはPredictive Analyticsをメッセージに、飛躍を遂げるための新たなステージに入った。

 「1990年代に生まれたデータマイニング技術は、統計解析ではなく、AI(人工知能)分野における主にニューラル・ネットワークの研究から生まれたものです。一時、統計解析とデータマイニングが覇権を競うという考えもありましたが、これらは相反するものではなく、組み合わせて使えばより効果的なものでした。そして、SPSSは、これらの考え方をどちらも製品に取り込んできました」とピーターセン氏。

 データマイニング技術と統計解析技術がベースとなって、「現状の適切な判断を将来の予測へとつなげ、今取るべきアクションへと結びつける」ためのPredictive Analyticsを実現しようというビジョンだ。

 Predictive Analyticsについては、ガートナーもSPSSと同様の定義を行っていて、米国ではすでにこの技術分野で広く使われるようになっている。その中でもSPSSは、「人に関係する分野にフォーカスして製品開発を続けている」(ピーターセン氏)。つまり、ビジネスアプリケーションの分野では、CRMやERM(従業員関係管理)といった領域がメーンになる。

 この分野での新製品は、Clementineと併用するWebログ解析ツールWeb Mining for ClementineとSPSS12.0の日本語版出荷が2003年第12月に予定されている。また、ピーターセン氏は、、2004年第1四半期にClementine と、テキストマイニングツールText Mining for Clementine新バージョンの日本語版を出荷する計画を明らかにした。両製品は、今回のカンファレンスでデモされており、出荷準備は整っているようだ。

ビジネスにもアカデミックにも

 ピーターセン氏に続いて、村田悦子上級副社長がオープニングスピーチに登場した。OpenHouseの開催に合わせて行ったユーザーアンケートでは、「SPSSと言えば○○」という項目も設けられたそうだが、その中で統計やデータマイニングと並んで、高級感や信頼性を表す表現が多かったという。例えば、「世界一のパッケージ」「高級」「信頼」「定番」「リーディングツール」「統計の王様」など。

 村田氏は、これだけユーザーの信頼を得られたことを誇りに思うとし、この分野のリーダーとしてのSPSSを強く訴えかけた。そして、アカデミック分野にも、これまで通りコミットしていくという。

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エス・ピー・エス・エス株式会社 上級副社長 村田 悦子氏


 「SPSSのブランド価値は、多くのユーザーのおかげです。長年にわたるアカデミックユーザーのベースが、Clementineによるエンタープライズビジネスの成功に結びついたわけですから。学術研究から生まれたSPSSには、産学連携を推進するという存在意義がある。社員一人ひとりの使命感として、それを大切にしていきたいのです」と村田氏。

 「産学連携はだれにでもできるものではありません。伝統的にそれができる立場にあるわれわれは、産学のかけ橋でありたい」と講演を締めくくった。

[ITmedia]