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» 2020年01月17日 10時00分 公開

「やりたいことが多過ぎて、何から手を付けて良いか分からない」の解消を支援:デジタル変革は成功例から想像せよ ワンチームで実践する共創型デジタル革新プログラム

大企業でもスタートアップでもない企業のデジタル変革は誰が進めるのか。事業運営や人材確保に疲弊する組織がデジタル化や変革を望むなら、どうすればよいか。そのノウハウを持つ組織に取材した。

[PR/ITmedia]
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中堅企業ほど求められる「DX対応」

 国内の大手企業を中心にデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが活発化している。2018年9月に経済産業省が「DXレポート〜ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開〜」と題する調査報告書を公開したことで、DXという言葉が広く知られるようになった。DXレポートは、DXを実現するためには既存システムの問題を解決する必要があり、「もしその課題を克服できなければ2025年以降最大12兆円/年の経済損失が生じる可能性がある」と警告した。

 ただ、DXという言葉はある種の「はやり言葉」のように扱われている面もあり、自社には関係のない取り組みだと感じている経営者やIT担当者は少なくないはずだ。多くの経営者やIT担当者は、デジタル技術がビジネス環境を大きく変え始めていることを理解している。しかし、それに対処しないことによって国家的な経済損失につながると警告されても、どこか人ごとに聞こえてしまうというのが本音だろう。

 特に中堅規模の企業にとっては、DXへの取り組みよりも足元の収益改善や目の前で起こっている人手不足への対応の方が切実な課題だ。実際、キーマンズネット編集部による読者調査では、2017年末の段階で、従業員規模5000人以下の企業におけるDXの取り組みは大企業に比べてかなりの遅れが見られた。具体的には、従業員5000人超の企業の6割近くが「既に取り組んでいる」と回答したのに対し、それ以下の規模の企業では3割ほどにとどまった。

1 自社がDXに取り組む意向(キーマンズネット編集部調べ、2018年)《クリックで拡大》

 本質的にDXは企業の競争優位を確立するための道具であり、小規模組織のようにフットワーク軽く動けなくなっている中堅規模の企業こそ取り組みが成功したときの効果も得やすい。

 だが具体的に何から始めればいいか。別の調査ではDXを阻害するものとして「投資コスト」や「デジタルテクノロジーに関するスキルや人材の不足」を挙げる企業が目立った。例えば「デザイン思考で事業を考える」と言われても抽象度の高い概念で、具体策を作りにくい。これがDXの難しさにつながっている。そんな中、DXに関連したあるワークショップが中堅規模企業の注目を集めているという。

中堅企業が抱えがちなDXの課題

 DXを推進するには、企業が提供する価値の本質がどこにあるかを徹底的に考える必要がある。DXを「企業としての競争上の優位を確立する取り組み」とする考え方は、経済産業省が2018年12月に公表した「DX推進ガイドライン」の中でも示されている。

 DXとは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」だ。

 DXは単なるデジタル技術の導入ではなく、デジタル技術を活用しながら企業としての存続意義そのものを見直していく取り組みと言える。だが、これだけでは全社規模の活動が必要とは理解できても具体的に「何から」「いつ」「誰と」「どうやって」手を付けていけばいいかはさっぱり分からない。今日の売り上げ、明日の人材確保に腐心する中堅企業が、社内の人員だけで成果を出すのは不可能に近い。

富士通グループのDXノウハウを中堅企業にも――総合力を生かしたDXアプローチ

 中堅企業が置かれる厳しい環境を考慮して開発されたのが、富士通マーケティングが実施する「デジタル革新プログラム」だ。

 もともと富士通グループは、グループ各社の持つ知見やノウハウ、技術を取りまとめ、顧客企業のDX推進を支援する体制を整えている。特に「Computing」「AI」「5G」「IoT」「Data」「Cloud」「Cyber Security」といった先進の技術領域に開発リソースを集中させている。これら先進的なデジタル技術をDX推進に生かす体制だ。

 例えばComputingでは「デジタルアニーラ」や「ハイパフォーマンスコンピューティング」(HPC)、AI(人工知能)では「説明可能なAI」(Explainable AI)や「Wide Learning」、5Gでは「ローカル5G」「ネットワークスライス」などの技術を複合的に活用するアイデアも、大企業だけのモノでなく中堅企業でもヒントを得ることができる。

2 富士通グループの技術領域(出典:富士通)《クリックで拡大》

 DXは道具よりも技術を活用する仕組みやノウハウが重要だ。富士通マーケティングはDXを「デジタル技術を使って、ありたい姿を実現すること」と定義し、ありたい姿からの「バックキャスト」と、ありたい姿への「フォーキャスト」を行うことで、取り組みを推進しやすくするというアプローチを提案している。

 ここでいう「ありたい姿」とは、企業として「どんな存在になりたいか」「どのような夢を実現したいか」「どのような状態になることが満足で望ましいのか」を指している。つまり、企業としての将来構想から存在価値を見つめ直し、現在の延長線上にある取り組みに向かって、できるところから取り組みを進めていくというアプローチだ。

 DXというと、新しいビジネスを生み出すための新規事業の開拓や、新しい業務プロセスの創造だけを想像しがちだ。だが企業としてのありたい姿を実現するためには、既存事業の拡大や既存業務のプロセス強化も重要だ。事業と業務それぞれについて、新規、既存の両方を見据えながら取り組みを進めることがポイントとなる。

先行企業の実践例で理解する「デジタル革新プログラム」の魅力

 DX推進のアプローチを具体化するための方法論として、富士通は独自に「デジタル革新プログラム」を開発。「ありたい姿」の策定から、アイデア創出や課題整理、コンセプト設計などを顧客企業と共同で検討する。

業務と事業、グループとチーム――DX推進の明暗を分ける組織の作り方

 DXの領域は、下図のように「既存市場と新規市場」「業務と事業」で分けられる。このうち、DXの領域ではあるが、事業と新規市場の軸は「狭義のDX領域」と定義できる

3 DXの領域のうち狭義のDXは赤線で囲んだ「事業」「新規市場」に関する領域(出典:富士通)《クリックで拡大》

 DXを推進する上で重要なのが「グループ」と「チーム」の特性を最大限に生かすことだ。図2は、どちらも似たような組織に関する概念だが、DXやイノベーションを考える上で違いを理解しておくことはとても重要だ。グループは同じタイプの人材の集まりであり、「同じような育ちで思考や発想が近い人材の集団」であることが多く、1人のリーダーの下で高い品質でタスクを遂行する「業務」「既存市場」に効果的な組織と言える。

 反対に、チームは「ありたい姿・目指す姿」を実現するために必要な多様な関係者で編成される組織だ。狭義のDXに定義される「事業」「新規市場」といった革新的な変化を追求する組織と言える。最終的な意思決定権はリーダーが持つが、そこに至るプロセスはメンバー間での多様なアイデアや意見の積み重ねで構成される。また、社内外の人々とチームを組んでビジネスを進める場合は、プロジェクト体制化することがとても重要だ。

4 グループとチームの特性を最大限に生かす(出典:富士通)《クリックで拡大》

 狭義のDXを成功させるには、チームの多様な人材の能力を最大限に発揮するための、チームビルディングとリーダーシップが必要になる。

 情報処理推進機構(IPA)「IT人材白書2019」には、サブタイトルに「人からはじめるデジタル変革」というメッセージがある。また、経済産業省が2018年に発表して話題を集めた「DXレポート」の「経営層の危機意識とコミットにおける課題」と題した項には、次のような一文がある。

 "現在、多くの経営者が、将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変するDXの必要性について理解していると考えられる。"

 組織や企業の壁を越えて価値を創出する革新的なDXは、経営層の強力なコミットがなければ始まらない。「ありたい姿・あるべき姿」を実現するチームには経営層のコミットの基で、今までにない新しい発想を生むチーム構築が必要だ。

 「デジタル革新プログラム」の最大の魅力は、チーム形成からプログラムが始まる点にある。DXやイノベーションには多様性ある人材でのチーム編成が必須だ。だがバックグラウンドや専門分野の異なるプロジェクトメンバーが、すぐに意識をそろえ、相互理解を深めるのは難しい。バラバラなメンバーが共通の「あるべき姿」を見いだし、目的に向けたアクションを起こすのは困難を極める。企業がDXを推進するに当たっては、チームビルディングやプロジェクト推進のノウハウなど、DXを推進する組織のための専門の知識を持つ「デジタルイノベーター」の参加が成功のカギを握る。デジタル革新プログラムはDXの実績を積んだデジタルイノベーターが共に一つのプロジェクトを組み、共同で未来の「ありたい姿・あるべき姿」を考え、実現するためのステップを具体的に設計していく。

5 デジタル革新プログラムのコンセプト(出典:富士通)《クリックで拡大》

先行企業の実践例で理解する「デジタル革新プログラム」の概要

 デジタル革新プログラムの全体像は、コンセプトなどを策定する「ビジネスモデル計画」、課題整理や問題発見、取り組みの優先度を決定する「施策検討」、具体的な実現ソリューションを決定する「ソリューション選定」の3ステップをカバーする。

 中でもアイデアを具体化する施策検討フェーズはデジタル革新の成否を左右する重要なステップだ。ここで、デジタル革新プログラムは3つのプロセスを用意する。

 ディスカッションを含むワークショップの他、現状を分析し、「ありたい姿」に向けて取り組むべき課題と取り組む順序を整理する「アイデア創出・課題整理」。ビジネス環境や先進技術、先行事例の調査を基にアイデアをコンセプトとして具現化し、グランドデザインを策定する「コンセプト設計」。課題をさらに深く掘り下げ、真因を発見して解決策を策定する「課題深掘り」だ。

6 デジタル革新プログラム(出典:富士通)《クリックで拡大》

 コンセプト設計ではグランドデザイン策定や富士通グループが持つ先進的な事例の紹介も受けられる。

 例えば製造業の場合、スマート工場を実現する際に将来的にどのような価値を創出できるかを先行事例や先進技術を参照しながらディスカッションしたり、革新に際して追うべき指標をどう構築するかを検討したりするプロセスを共同で実施できる。IoT(モノのインターネット)やAIを使った効率化や自動化がどこでどう効くか、などの先行事例やアイデアを聞くこともできる。自社の複数の部門の担当者を交えて議論して課題や考えを共有する場を持つことで、革新を具体化した際の納得感や定着度も格段に高まる。

 特に新しい取り組みにチャレンジする際、DX実践の経験がある企業がプロジェクトに参画すれば、問題整理や課題整理、プロジェクト推進の手法などの知見を得ながら進められる。どの企業も従来経験がないデジタル化を推進する状況にある中、経験者の声が得られるプログラムは貴重だ。

7 デジタル革新プログラムの位置付け。デザイン思考をベースに「コト」の本質から見直して改革を推進したい場合に適している(出典:富士通)《クリックで拡大》

 DX推進を急ぐあまり、「なぜ自社が変革を必要としているのか(Why)」の議論がないまま「具体的な施策(What)」ばかりを決めようとしたり、「どのような企業像や事業領域を目指すのか(Where)」が定まらないのに、「どの手法、どの技術を使うのか(How)」ばかりに気を取られてしまえば「打ち手」を見誤りかねない。図にあるように「Why」「What」「Where」「How」のステップを確実に踏んでいかなければ、必ずスキップした行程への手戻りが発生する。デジタル革新プログラムを活用すればこうしたリスクを最小化できる。

 このプログラムを先行して利用した企業の例を見てみよう。

 製造業のA社は「IoT活用による生産ラインの効率向上と不良品撲滅」を実現するため「指図順守率95%以上、納期順守率100%達成」を目指す活動を推進していた。

 この企業の場合、まずはIoTの活用例を知るために富士通小山工場を見学したことで先進IoT活用工場の実践例を理解し、デジタル革新プログラムの採用を決定した。複数回のワークショップや業務分析を経て「ありたい姿」を策定した。

 複数回のディスカッションを経て決定した「ありたい姿」は「『スマートものつくり革命〜見せる、止まらない、つながる〜』ものづくりへ」だ。A社の場合、このコンセプトを具現化するため、(1)可視化への対応、(2)設備保全への対応、(3)人への対応――の3つを重要テーマと位置付けて改革を進めている。

 また、別の製造業はスマート化を前に「工場の在り方を劇的に変化させたい」という意欲を持っていた。革新に向け、生産技術部門の担当役員をトップとしたプロジェクト推進体制を整備しており、ありたい姿、目指す姿を「工場のスマート化、インテリジェント化により、品質、納期、コストで競争力のある商品を提供できる『総合ものづくり』を実現する」とした。

 このコンセプトを具現化する重点テーマは次の5つだ。

  1. 作業指示書作成の自動化
  2. 現場情報をリアルタイムで見える化/工場全体の最適化
  3. 安定したものづくりができる品質管理基準への対応
  4. デジタル生産準備
  5. セキュアな工場ネットワーク構築

人間の柔軟さを損なわないスマート工場〜富士通小山工場

 ここで紹介した2社がデジタル革新を実践する際に参考としたのが富士通小山工場だ。

 富士通小山工場は富士通グループが提案するデジタル革新を実践するモデル工場として位置付けられる。いわば「組み立て加工系製造業がスマート工場を実践する際の実装例のデパート」のような存在で、連日多くの見学者が訪れることで知られる。本稿で紹介した2つ事例は、多くのデジタル化を伴う重点テーマが挙げられているが、いずれも富士通小山工場では既に実践しているものだ。

 富士通小山工場は自動化を前提とした生産性向上の施策と同時に、AIやIoTを活用して人間の活動を支援する「ヒューマンセントリック スマートものづくり」を実践する。人の柔軟さと徹底した自動化を要件に応じて使い分けられる仕組みだ。多品種少量生産型の製造業が取り入れやすいスマート化のアイデアも多数盛り込まれる。

 この他、AIやIoTの活用も積極的だ。例えば熟練工とそれ以外との作業を映像で分析して効率改善に役立てたり、サイバーフィジカルシステムと呼ばれる仮想空間を使って生産シミュレーションを実施して未来リソースを予測したり、3次元モデルを活用した「デジタル生産準備」で販売までのリードタイムを短縮したりと、効率良く柔軟に未来の生産工程を計画できる仕組みを取り入れている。自社のデジタル革新実践を前に「できること」の想像力を拡張するヒントとなる場所と言えるだろう。

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提供:株式会社富士通マーケティング
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2020年1月31日

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