Gartner Column
栗原 潔[2003.12.2 UP] バブルの後に逆バブルが訪れるのは世の常である。そして、今や、IT全体がかつてのドットコムバブルの反動としての逆バブル状態に陥る危険がある。今後は「ITは企業にとってもはや戦略的ではない」と主張する人が増えてくるだろう。ITに携わる人間は、そのような意見に対してどのように対応していくべきだろうか?
[2003.11.11 UP] 「HPはコンピュータ会社ではない。プリンタのインク販売会社だ」「IBMはコンピュータ会社ではない。メインフレーム保守サービスの会社だ」。どちらも、数年前にSunが一人勝ち状態だったときのスコット・マクニーリー氏の発言である。現時点で、これらの発言を振り返ってみると興味深い。
[2003.10.20 UP] 今のSunが苦しい状況にあることは否定できない。この苦境を乗り切るためには、彼らはMicrosoftに学び、ドラスティックな方向転換をする以外の道はないだろう。
[2003.9.18 UP] SunNetwork 2003において、コンセプトだけが発表されていたSunのプロジェクトOrionの詳細が発表された。Java Enterprise Systemという地味な名称ながらSunの決意が表れた新ソフトウェア製品は、テクノロジー面というよりもビジネス面での革命と言えそうだ。
[2003.9.9 UP] Oracle 10gのテクノロジーは高い評価に値するものだ。しかし、それを「グリッド」と呼んでしまうオラクルのマーケティングにはやや苦言を呈さずにはいられない。
[2003.8.18 UP] IBMが1964年のシステム/360で初めて使った「アーキテクチャ」という言葉は、現在ではさまざまな意味を持つ。この言葉を使って他人とコミュニケーションするときには、事前にその意味を明確に定義し、合意しておくべきだ。
[2003.7.28 UP] ハードウェアやソフトウェアの技術において、日本ベンダーが特に劣っているということはないものの、国際的なエコシステムの構築は苦手だ。しかし、それをうまくやらなければ、日本は世界の下請工場となってしまうリスクを負うだろう。
[2003.7.8 UP] 訴訟というとSCOを思い浮かべるかもしれないが、先ごろ、カシオがソーテックを訴えている。知的財産権が権利者側に有利になっていくのは世界的なすう勢で、ユーザー企業は自己防衛手段を考えるべきだ。
[2003.6.16 UP] かつてUNIX互換のOSを開発しようとしていたOSFが、AT&TのSystem Vでの開発の経験がないプログラマーを募集したことがある。SCOがIBMに対して行った訴訟は、長期的に見れば、クリーンルーム的な開発によるLinuxの既存知的財産権の排除を進め、さらに商用UNIXからLinuxへの移行を加速するだろう。
[2003.5.28 UP] コンピュータのデザインとは、音速で飛ぶジェット機とはいはいをする赤ん坊の同期を取るのに似ているという。つまり、キャッシュ技術が重要ということだ。クラスタでサーバが複数台になるとキャッシュの管理もさらに複雑になる。Oracle9i RACは、その問題の解決に真面目に取り組んだ製品のひとつだ。
[2003.5.6 UP] NUMAとOracle9i RACは、素性こそ違うが目的は同じ。比較的安価なマシンの組み合わせによって、高価なマシンでなければ達成できないトランザクション性能を発揮しようというのだ。NUMAは古くからあるが、Windows Server 2003とLinuxによるサポートという追い風がある。
[2003.4.14 UP] ブレードやクラスタといった話題の技術の登場により、高価な大型サーバが不要になるかといえばそんなことはない。それは、ITの世界で繰り返し議論されてきた「必ずしも間違ってはいないが、正しくない」主張のひとつである。
[2003.3.24 UP] 「コア・コンピタンス経営」の著者、ハメル氏の言葉がこの半年間、ずっと引っ掛かっていた。彼の「ユーティリティーコンピューティングは差別化に貢献できない」という、その言葉には、私なりの異論がある。IT投資の効果が表れるためにはさまざまな要因があり、少なくとも4階層に分けて考えるべきだ。
[2003.3.1 UP] 2月下旬、サンが年次アナリストカンファレンスを開催した。向こう1年の同社の戦略が明らかにされる極めて重要なイベントだ。今年は随分と地味になったが、しっかりと「わが道を行くサン」を印象付けた。「サンの道」とはR&Dに強力にコミットした総合システムベンダーということだ。
[2003.2.10 UP] 日本は「メインフレーム大国」と言われているが、だから遅れている市場だと捉えるのは短絡的に過ぎる。本当の問題は、メインフレームが必要でない領域でも惰性でメインフレームを使用し続けたり、実はメインフレームが必要なほどの高要件の領域なのに無理やりにUNIXやWindowsへ移行しようとすることだ。
[2003.1.21 UP] 「CRMプロジェクトの半数は失敗する」、ガートナーのプレゼンでしばしば耳にする言葉だが、この「失敗」の定義は何なのだろうか? われわれは、投資に見合うだけの効果が得られていない場合も含めている。ITに対する投資効果は厳しい目で見ることが必要なのだ。
[2003.1.6 UP] 今年の新たなトピックとして付け加えるならば、それは「選択と集中」であろう。使い尽くされているキーワードだが、その重要性はますます高くなっている。「IT予算聖域論」がもはや成り立たなくなっている一方で、あらゆる領域のIT投資を抑えるというような、消極的な発想では企業の競争力そのものを衰退させてしまいかねないからである。
[2002.12.10 UP] 日本HPがUtility Data Centerを発表した。いったん物理的な導入作業を行っておけば、再配線作業を行うことなく、管理コンソールから自由に構成を変更できるというものだ。利用可能なソリューションを他社に先駆けて提供できた点は高く評価してよいだろう。
[2002.11.5 UP] サンは今試練の時にある。株価は3ドルを割り込み、買収の懸念さえあるが、ガートナーによる最新の評価は「Promising」(5段階評価の真ん中)と変わらない。マクニーリーCEOは求心力を失っていないし、「N1」などの革新的なアイデアも登場している。数年後には、ソリューションベンダーとして、サンが生まれ変われる可能性も高い。
[2002.10.9 UP] 9月末から10月初めにかけて、米NCRのユーザーカンファレンス「PARTNERS」に出席した。彼らの戦略の柱は、「ペタバイト」と「アクティブ・データウェアハウス」だ。より多くの情報をリアルタイムで競争力に変えていくという概念は、今や現実のものとなりつつある。
[2002.9.19 UP] 元々は通信事業者の用語であったプロビジョニングという言葉が他のIT分野でも使用されるようになっている。この言葉の意味を追求してみると、今、ITインフラ管理の世界で起きている長期的なパラダイムシフトが見えてくる。
[2002.9.11 UP] メインレームは過去の遺物? とんでもない話である。メインフレームには、コスト高さ、および対応するソフトウェアの少なさという課題があるのは確かだ。しかし、メインフレームは、現在でも十分に魅力的な選択肢となる幾つもの優位性を持っている。
[2002.9.2 UP] 今回はメインフレームが提供する最強のクラスタ環境である並列シスプレックスについて解説しよう。
[2002.8.26 UP] UNIXもWindowsもOSのハイエンド機能においては実はメインフレームを追い続けている。メインフレームを勉強することで、ハイエンドのシステムに求められる要件も明らかになり、UNIX/Windows OSが将来的に目指す方向も見えてくるだろう。
[2002.8.19 UP] サーバの世界でも、余分のCPUをオフラインの状態で納入しておき、ユーザーが必要になった際にオンラインにし、その時点から追加分の料金が発生するタイプの課金方式が普及しつつある。
[2002.8.5 UP] 今回は、現時点において、単なる実験ではなく、ビジネスとしての価値を提供しているWebサービスの事例を幾つか紹介してみたい。
[2002.8.1 UP] 構想だけで具体的な内容がはっきりしていなかったLiberty Allianceも仕様の公開、そして、サンによるサポート製品の発表により、その姿が明らかになってきた。これらの動きを、またサンとマイクロソフトの標準化勢力争いが始まったのかと見ていると、ことの本質を大きく見誤ることになるだろう。
[2002.7.23 UP] メインフレーム・リホスティングとは、メインフレーム上で稼動している既存アプリケーションを、ほとんど変更なしに他のプラットフォーム(多くの場合、UNIXサーバ)へ移行することである。幾つかの条件が満足されれば、このような単純移行が有意義なこともある。
[2002.7.15 UP] 7月9日のItanium 2の記者発表会の盛り上がりは正直言っていまひとつだった。ハードウェア製品の発表について言えば、IPFに社運を賭けているHPの登場は当然としても、ほかは日立とNECのみ。ハイエンドのPCサーバに力を入れているはずのIBMとユニシスは、将来的に対応製品を出荷するという意向を表明したに留まった。また、デルは大量の需要が見込めないということから今回は静観の姿勢を取っている。
[2002.7.8 UP] Webサービスに関する議論の中で不足している要素のひとつが人間のユーザーとのやり取りに関する機能(今風に言えば、ユーザーエクスペリエンス)である。このギャップを埋めてくれるのは次世代のエンタープライズポータル製品になるだろう。
[2002.7.1 UP] 最近になり、IT系だけではなく、ビジネス系のメディアでもWebサービスが扱われることが多くなってきた。しかし、そこでは遠い未来の話が、あたかもすぐに実現可能なように語られてしまうことが多い。Webサービスの適用はもっと現実的な領域から考えてみるべきだろう。