着メロを家電で鳴らすmuPass、第1号機は「自動車用レーダー」

» 2005年08月26日 23時42分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 サミーネットワークスは、8月26日、都内で行われたモバイルコンテンツフォーラム(MCF)のセミナーで、同社の推進するプラットフォーム「muPass(ミューパス)」の最新情報を明らかにした。8月下旬に対応製品が登場、9月上旬までにはサービスもスタートする。

家電のビープ音の代わりに音楽を鳴らす

 muPassは「MusicPass」の略で、家電製品などで着信メロディを鳴らすことができるサービス。サミーネットワークスが開発した「MuPassチップ&モジュール」を家電に組み込むことにより、好きな音を鳴らせるようになる。カシオ計算機、クラリオン、三洋電機、セガトイズリンナイなど、現在23社が参画意向を表明している(8月24日の記事参照)

muPassチップ&モジュールの仕様。チップのサイズは4.5×4.5ミリ、モジュールサイズは12×20ミリ

 専用サイトからメロディをダウンロードし、サミーネットワークスの提供するiアプリを利用して、赤外線で家電に転送、曲データを書き換える。携帯の内部に一度入れたメロディを外部の機器に転送するという仕組み上、独自フォーマットを使うことで、日本音楽著作権協会(JASRAC)の許諾を得ている。

 まだ最終調整中なので名前は出せないが、電子レンジや炊飯器用に料理番組の定番テーマソングを、お風呂で癒し系の音楽、洗濯機や掃除機用にお笑い芸人のボイスを……といったコンテンツの提供を考えている。

 muPassチップは、サミーネットワークスが機器メーカーに販売する。ユーザーがメロディをダウンロード・転送すると、機器メーカーにも料金の一部が支払われる。メロディのダウンロード・転送状況は、サミーネットワークスのサーバーで管理する。

LED看板を書き換えるなどの展開も

 muPass対応製品の第1号機としては、ユピテルの自動車レーダーが8月下旬に発売登場する。muPassのメロディダウンロードサービスも、同時期か9月頭を目処に開始される見込みだ。

ユピテルから発売される、muPass対応の自動車レーダー。4モデルラインアップが予定されている。

 このようなコンシューマ向け製品だけでなく、法人向けにBtoBでのサービス展開も考えている。例として挙げたのが、トレッドとの協業だ。

 LEDで表示される看板は、従来、専用ソフトをインストールしたPCを接続しなくては書き換えられず、看板を掲げている店主が気軽に内容を書き換えることは難しかった。サミーネットワークスでは、muPassの双方向通信の仕組みを使って、LED看板の表示内容を携帯電話から簡単に書き換えられるシステムを年内に実現するという。

 現在はカーナビはクラリオン、玄関扉のインターホンはアイホン……といったように、1業種1社しか参画表明していないが、「オープンプラットフォームなので、同じ業種で複数の企業が参画してくれるといいと思う」(サミーネットワークス)と期待している。なおダウンロードサイトの提供は、当初はサミーネットワークスのみが行うが、製品が増えていけば、ほかのコンテンツプロバイダにもサイトを提供してもらう計画だ。

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