au端末を使っているユーザーで、“携帯対応”と書いてあるサービスを実際に試そうと思ったらiアプリのみの対応だったり、新しい端末を買い、遊びたいゲームをダウンロードしてみたら「その機種は対応していない」というエラーメッセージが出た……といった経験をしたことはないだろうか。
現在auの端末は、基本的に全機種がBREW対応になっている。携帯上で動かすアプリを利用しようとする場合、ドコモユーザーにとってのiアプリに対し、auユーザーはBREWアプリを使うことになるが、しかしアプリの配布・運営の点において、iアプリとBREWアプリには大きな違いがある。
それは、iアプリが自由に開発・配布ができるのに対し、BREWアプリはKDDIの承認を得なくてはエンドユーザーへ配布できないというところだ。さらに言えば、BREWアプリを配布するには原則としてKDDIのサーバ※にアップロードし、そこからユーザーがダウンロードする形を取らなくてはならないという決まりがある。これは自前のサーバにアップロードし、そこからユーザーに配布できるiアプリとは大きな違いといえる。
KDDIはなぜこのような厳しい審査をコンテンツプロバイダに課しているのか? また、具体的にどのような審査を経て、BREWアプリは公開されるのか? KDDIでBREWアプリの審査を担当する、KDDIコンテンツ・メディア事業本部コンテンツビジネスセンターの大村好則氏と、渡邊茂紀氏に聞いた。
最初に、BREWアプリを申請し、ユーザーに公開できるようになるまでの流れを説明しよう。BREWアプリは大きく、一般コンシューマー向けに配布されるもの(ゲームやオンラインバンクキング関連ソフトなど)と、法人向けの特殊なアプリ(社内で利用する、業務用の専用アプリケーション)に分かれる。ここでは、一般向けのBREWアプリについて紹介する。
BREWアプリを一般に公開するには、まずauの公式コンテンツプロバイダとなり、公式サイトを持たなくてはならない。公式コンテンツプロバイダになるには法人であることが必須条件なので、例えば個人で「面白いBREWアプリを開発したので公開したい」と考えても、それはできないということになる。
コンテンツプロバイダはまず、認可を得たいBREWアプリについて、KDDIに企画書を提出し「審査」を受ける。審査にパスしたら、コンテンツプロバイダ側でアプリを開発する。できあがったらKDDIに再度提出、KDDIが「検証」を行い、これにパスして初めてサーバへ登録できる(その間、所々の手続きが必要)。公式サイトを構築・公開し、KDDIのサーバにBREWアプリをアップロードして初めて、エンドユーザーはBREWアプリをダウンロードできるようになる。
審査には、短くても2〜3週間、開発にも数週間〜数カ月必要だ。検証も「早くて1カ月を切るくらい」(大村氏)はかかる。つまり、BREWアプリを申請してから公開できるようになるまで、最短でも2カ月は必要ということになる。
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