Ericsson、イー・モバイルに携帯電話用ネットワークを提供

» 2006年03月13日 14時43分 公開
[ITmedia]

 イー・アクセスは3月13日、子会社イー・モバイルの3G/HSDPA対応携帯電話ネットワークを構築する際の主要パートナーに、スウェーデンのEricssonを選んだと発表した。

Photo 握手する両社代表。左から、イー・アクセスの種野晴夫社長、千本倖生会長、Ericssonのカール-ヘンリック・スヴァンベリCEO、日本エリクソンのローリー・バックレイ社長

 2005年11月9日に、総務省から1.7GHz帯で携帯電話事業を行う免許を取得した(2005年11月9日の記事参照)イー・アクセスは、2007年3月にW-CDMA方式を採用したサービスの開始を目指している。2006年度中に関東でカバー率50%を、そのほかの地域でも2007年度中にはカバー率50%を達成する計画で、1万5210の基地局を5年後までに設置する予定だ。

 今回の契約では、イー・モバイルの関東、中部、関西地域のW-CDMAのネットワークと、全国をカバーするコアネットワークのシステムをEricssonが提供する。Ericssonは、現在世界で商用サービスが開始されている91のW-CDMAネットワークのうち、49で主要サプライヤーに選定されている最大手企業だ。

 「Ericssonとパートナーシップを結ぶのが最適と判断した理由は、3つある」とイー・アクセスの千本倖生会長。

 「世界最大手の企業であること、既に日本でネットワーク供給の経験があり、既存のオペレーターのサポートをしていること(2005年2月21日の記事参照)。また我々の強みであるブロードバンド、高速データ通信の世界で標準化を引っ張っているという、標準化活動への積極的な取り組みも評価した」

 Ericssonのカール-ヘンリック・スヴァンベリCEOは、同社が既にHSDPAの分野で17カ国、21ネットワークに納入を済ませていると実績を強調する。「2005年に商用サービスを開始しており、端末は通常のサイズで高い性能を持つ。上り回線を高速化する『HSUPA』(2005年3月24日の記事参照)のニーズも高いだろうと考えており、こちらも1.5Mbpsのデモを行っている。近いうちに提供できるだろう」

Lucentはどうなったのか?

 イー・モバイルは今後第二次選定も行い、ほかの事業社とも提携してネットワークを構築していく予定。

 同社は過去に、米Lucentや富士通と共同で携帯サービスの実証実験を行ったことがある(2005年2月10日の記事参照)。今回、「プライマリベンダーとしてはLucentを選ばなかった」(千本氏)イー・アクセスだが、Lucentも含めたほかのベンダーが同社のネットワーク構築に参加する可能性もある。

 「基地局部分は、関東・中部・関西でEricssonにやってもらう。そのほかのエリアでは、まだ決めていない。ベンダーの数をどうするか、まだ一生懸命勉強しているところで、最終的なベンダーの数字がどうなるかは私も分からない。2つになるかもしれないし、ひょっとしたら3になるかも。もちろん1つ(Ericssonのみ)で終わるかもしれない」

イー・アクセス向けにソニー・エリクソン端末も?

 イー・アクセスとEricssonの距離感が近くなったことで、今後気になるのはソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の端末がイー・アクセス向けに提供されるのかということだ。

 千本会長は「端末については国内、国外の両方のメーカーと話をしており、着々と準備が進んでいる」とコメント。「名前は言えないが、(ネットワークサプライヤーに)Ericssonを選んだのだから、当然一番親和性がいいのはソニー・エリクソンの端末だろう。ソニー・エリクソンが候補の1つであるというのは、間違いないことだと思う」と、期待を持たせた。

 ただし横から種野社長が「ソニー・エリクソンとは、まだそんなに打ち合わせが進んでない」と発言。慎重な姿勢を保った。

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