ボーダフォン、BBモバイルの傘下に──現取締役は1人をのぞき辞任

» 2006年04月03日 23時58分 公開
[園部修,ITmedia]

 ソフトバンクは4月3日、同社のグループ会社BBモバイルが、ボーダフォンの株式を公開買い付けにより取得すると発表した。公開買い付け価格は1株あたり31万3456円で、ボーダフォンが保有する自己株式と端株をのぞいたすべての株式の取得を目指す。ソフトバンクと英Vodafoneグループは3月17日にボーダフォンの買収について合意していた(3月17日の記事参照)

 公開買い付け成立日の翌日には、ボーダフォンの臨時株主総会を開催し、BBモバイルが指名する人物を取締役に選任する。このとき、現取締役は1人をのぞいて辞任する予定。BBモバイルは蘭Vodafone International Holdings BV(以下VIH)に対し、優先株式および新株予約権の発行を行うこと、VIHから劣後ローンの借り入れを行うこと、そして公開買い付け後もVIHが優先株式を一定の割合で保有している限り、VIHが取締役を1人指名する権利を持つことで合意している。

 公開買い付けは4月4日から4月24日までの21日間で行う。発行済株式総数542万7946.02株のうち、VIHが保有する90.6%(491万6372株)と、蘭Vodafone Europe Holdings BV(以下VEH)が持つ5.2%(28万2816株)の計95.79%(519万9188株)については、すでに公開買い付けに応募する旨の内諾を得ているという。

 残りの4.21%のうち、1.9%分(10万3099株)を保有しているメトロフォン・サービスは、この公開買い付けには応募しない。ただ、同社の株式はVIHが100%保有しており、BBモバイルはVIHからメトロフォン・サービス株をすべて取得することで合意しているため、この1.9%についてもBBモバイルが間接的に所有することになる。なお公開買い付けの終了後には、BBモバイルとメトロフォン・サービスの合併も検討中だ。

 この公開買い付けの実施に合わせて、BBモバイルの親会社モバイルテックはソフトバンク株式会社を引受先とする第三者割り当てによる新株発行を実施し、総額2008億円の資金を調達する。またBBモバイルも、モバイルテックを引受先とした第三者割り当てによる新株発行を実施し、総額2000億円を調達する。

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