画面1■アイルが提供する次世代共用サーバ「iCLUSTA」。圧倒的な耐障害性と万全のセキュリティ対策が施された次世代型の共用サーバ


画面2■「iCLUSTA」のサーバ管理ツール「Plan Manager」。分かりやすいインタフェースと操作性であり、初心者でも容易に操作が可能

図1■従来型の共有サーバと「iCLUSTA」の比較

iCLUSTAではサーバへの接続回線が複数用意されている。万が一、回線に障害が発生した場合、別の回線に接続を切り替えることでサービス利用の続行が可能

複数のサーバで運用されるiCLUSTAでは、その中の1台に障害が発生した場合、自動的に処理をほかのサーバに振り分けることができる。さらにユーザーデータが保存されるハードディスクも二重化(RAID)することにより、障害の影響を受けない

パフォーマンスの比較

複数のユーザー環境を1台のサーバに収容、処理する一般的な共用サーバの場合、あるユーザーの負荷が高くなると、ほかのユーザー環境に処理速度の低下が発生してしまう

iCLUSTAでは各ユーザー環境の負荷を常時システムが監視している。複数サーバで分散処理を行えるのが特徴といえる。負荷の高いユーザー環境は、自動的にほかのサーバリソースで処理が行われるため、安定した高速稼動が可能となる


表1■「iCLUSTA」が提供するプランと主な機能。ホームページやネットショップなどを運営していくために必須の機能が標準装備やオプション提供されている点が魅力


写真1■「新世代のホスティングでは、いかに“安心感”を提供できるかがポイント」と強調するGMOホスティング&セキュリティ株式会社、アイル事業部長の山田裕一氏

高品質と低価格を両立する次世代ホスティングサービス「iCLUSTA」

独自ドメインの取得や、ホスティングサービスを利用してのWebサイト運営は、今や極めて一般的なものとなった。サービスの低価格や多機能化という背景もあり、利用者は企業から個人事業主、さらには趣味で利用する個人にまで、その層を広げている。ホスティングサービス業界は百家争鳴の状況だが、そのような中、GMOホスティング&セキュリティが運営するホスティングサービスのトップブランド「アイル」からは、2005年5月30日から「iCLUSTA」という次世代共用サーバサービスがスタートされた。「次世代ホスティングサービス」を標ぼうする同サービスは、従来のサービスと何が異なり、どのようなメリットがあるのだろうか。

 ホスティングサービス導入の検討にあたり、「アイル」というブランド名を目にしたことがある人も多いだろう。アイルは1997年に設立され、2005年10月現在までで4万5000件以上の利用実績を持つ国内最大規模のホスティングサービスである。

 このアイルが、2005年5月30日に「iCLUSTA」(アイクラスタ)と呼ばれる新たなホスティングサービスを開始した。従来の共用サーバによるサービスと比較した、iCLUSTAの最大のメリットは、システム全体を「クラスタ構成」にすることによる、耐障害性とパフォーマンスの向上であるという。

クラスタ構成によるメリットとは

 iCLUSTAのサービス名にも冠されている「クラスタ」は、いわゆる「クラスタリング」と呼ばれる技術のことである。クラスタリングとは、独立して動いている複数のサーバを接続し、全体で1台のサーバであるかのように動作させる技術のことだ。一般的に、動作時の負荷が高く、かつ短時間であっても停止することが許されないシステムをクラスタ構成にすることにより、耐障害性を向上させたり、負荷を分散して処理能力の向上を図ることができる。

 従来のホスティングサービスには、「共用サーバ」「専用サーバ」「VPS(Virtual Private Server)」と呼ばれる形態がある。

 最も一般的な「共用サーバ」は、1つのハードウェアとOSなどのソフトウェアを、そのサーバ内に割り当てられたユーザー全員で共有する方式だ。サービスとしては低価格で手軽に利用できるが、例えば、あるユーザーのサイトにアクセスが集中したり、CPUリソースを過度に消費するCGIプログラムを実行したような場合、同じサーバを共有している他のユーザーサイトの反応速度が低下したり、CGIプログラムが実行不能になったりといった悪影響が出る。また、何らかの障害やメンテナンスなどの理由でシステムがダウンしてしまった場合は、そこに割り当てられているすべてのユーザーのサイトやサービスが利用不能になってしまう。

 一方の「専用サーバ」は、文字通り、そのユーザー専用のサーバを用意してサービスを提供するものだ。共用サーバにおける「ユーザー同士のリソースの取り合い」のようなことは起こらないが、その分、利用料金は高くなる。また、「VPS」は共用サーバ上で各ユーザーに対してリソース分配のルールを定めておき、それぞれのユーザーが専用サーバを利用しているような環境を仮想的に提供するものだ。

 iCLUSTAは、基本的には「共用サーバ」の形態をとっているが、システムに「ダイナミック・クラスタ・アーキテクチャ」(DCA)と呼ばれるクラスタ構成を採用している。ネットワーク、サーバ機器をクラスタにより二重化し、ストレージはRAID-5の構成を採用することによって、システム上のハードウェアやソフトウェアのどれかひとつに障害が起きた場合でも、システム全体が停止することはない。そのため、高い可用性が実現される。同時に、サーバおよびネットワークに掛かる負荷はロードバランサによって分散され、より高いパフォーマンスのサービスが提供可能となっている。

 一般的な共用サーバはもちろんのこと、VPSや専用サーバーでさえも、負荷が高まって障害が発生してしまうと一定時間完全にサービス停止してしまう。法人や商用サイトを運営する者などにとっては、企業信頼度や売上を左右するほどの死活問題となりかねない。iCLUSTAによって提供される高い可用性やパフォーマンスは、その圧倒的な安定性により、ホームページやブログを運用するユーザーに、安心と快適さを提供してくれるものとなるはずだ。

高品質なサービスを低価格から利用可能

 こうしたクラスタ構成による高品質なサービスを、低価格から利用できるのもiCLUSTAのメリットである。

 iCLUSTAには、一般的に必要とされる機能をセットにした「パッケージプラン」と、利用者が必要な機能だけを選択利用できる「カスタムプラン」の2種類が用意されている。

 「パッケージプラン」には、ディスク容量50Mバイトで基本的なWebとメールの機能が利用できる「i-01」(945円/月〜)から、ディスク容量1Gバイトで、独自CGIやPHPの利用、データベース(PostgreSQL、MySQL)、メールウイルス除去サービス、独自ドメインでのSSLなどがすべて利用可能な「i-05」(9450円/月〜)まで、5つのプランがある。

 セキュリティ機能に関して、POP over SSL、FTP over SSL、迷惑メールフィルタ機能などは「i-01」からのすべてのプランで標準装備しており、メールウイルス除去サービスやSSL機能などは、下位のプランでもオプションとして追加することができる。

 また、2005年11月7日に新たにリリースされた、月額0円から利用可能な簡易ショップ構築ツール「MakeShop」や、高機能なアクセス解析ツール「Urchin」、グループウェアの「サイボウズ Office 6 for ASP」などもオプションとして用意されており、必要に応じてこれらの機能を追加することも可能である。また、これらの機能はすべてiCLUSTAのサーバー管理ツール「Plan Manager」内で一括管理が可能であり、ユーザー本位の操作性や効率性に配慮した作りとなっている。まさに、個人サイトの立ち上げから、本格的なコマースサイトの運営まで、ユーザーの用途に合わせてプランとオプションを選択でき、それらが容易に管理できる点は大きなメリットのひとつだ。

 また、iCLUSTAで新たに登場した「カスタムプラン」は、ユーザーが必要な機能だけを組み合わせて利用できるものだ。「基本料金」「メールセット」「Webセット」「オプション」から構成されており、例えば、メール機能だけを利用したい場合には、Webセットを省いて契約することで、パッケージプランから選択するよりも料金は低く抑えられる。このカスタマイズ性の高さに魅力を感じる中上級のユーザーも多いだろう。

 さらに、サービスの導入方法や機能の使い方、技術的な疑問については、電話、チャット、メールフォーム、FAXといった幅広い窓口でのサポートを無料で提供している。技術的なサポートについては休祝日の受付も行っており、初心者にとっても心強い体制といえるだろう。

“クラスタリング”は“安心感”を形にしたもの

 激戦のホスティングサービス市場において、新サービス「iCLUSTA」を開始した意図や、その目指すものについて、GMOホスティング&セキュリティ、ホスティング事業本部 アイル事業部長の山田裕一氏(写真1)に話を聞いた。

ITmedia クラスタ構成によるホスティングサービスである「iCLUSTA」をスタートした意図は何だったのでしょうか。

山田 これまで提供してきたホスティングサービスは、一般的といえる共用サーバ構成でした。多くの業者が参入することで低価格化と高機能化が進み、市場としては「踊り場」的な印象もあったホスティングサービスにおいて、「今までにないサービス」を考える必要があったのです。

 iCLUSTAのコンセプトを作り上げる際に参考にしたのは、「保険業界」の手法やサービスでした。「保険」と「ホスティングサービス」には、ユーザーには通常見えづらい「安心感」を提供していかなければならないという点で似ています。ホスティングサービスでも「安心感」をいかに形にして提供するかが大きなテーマだったのです。

 ホスティングサービスにおいて、安心感に直結するのは「サーバが落ちない」ことです。そのためにどうすればよいかを考えて出した結論が、サーバのクラスタ構成による信頼性の向上でした。

 また、保険商品には、人それぞれの人生に合わせたさまざまなプランがあります。この考え方を取り入れたのが、「カスタムプラン」です。自分のウェブサイトの使い方や運用スタイルに合わせて、好きな機能をチョイスできるようになっており、サービス内容と価格の両方の点で満足していただけるプランだと思っています。

ITmedia サーバをクラスタ構成にすることで、高いパフォーマンスと信頼性を確保した点がiCLUSTAの最大のセールスポイントというわけですね。

山田 オンラインゲームなどでは、一時的な高負荷に耐えるための構成としてクラスタを採用しているところもありますが、ホスティングサービスでクラスタ構成を採用しているところは、ほかではほとんど見られないと思います。

 現在、ほかのサービスを利用されていて、サーバがダウンしたり、パフォーマンスが低下したりといったことでストレスを感じたことがある場合には、クラスタ構成のメリットを特に実感してもらえると思います。

 これまで、ホスティングサービスの「品質」に対して対価を支払うということは、比較的ユーザーの間でもあまり意識されていなかったように感じます。しかし、容量と機能が増え、価格も低下していく中で、「サービスの中身はどうなのか?」という点を考えた場合、質の低いものがあるのも事実です。そうした状況を変えたいというのが、われわれがiCLUSTAを始めるにあたっての思いでした。

 例えば、多少価格が高くても、安全性の向上に企業を挙げて取り組んでいるメルセデスベンツの車を多くの人が選ぶように、iCLUSTAも安全性、品質で選んでいただけるサービスとしてのブランドを確立していきたいと思っています。

ITmedia ユーザーサポートの充実という点について教えてください。

山田 電話、チャット、FAX、メールでの無料サポートを行っており、技術的な問い合わせに対しては休日の対応も行っています。特にチャットサポートはユーザーから好評で、もっとも満足度が高いサポート方法として確立されています。今後ニーズに合わせて、サポート時間の延長やコンサルティング対応など、サポートの枠を広げていきます。

ITmedia 今後のiCLUSTAの方向性について教えてください。

山田 iCLUSTAが次のフェーズで目指すのは、共用サーバでありながら複数のユーザーが仮想的に専用リソースを確保できるVPSのメリットを取り入れていくことですね。例えば、特定のユーザーが目的に合わせて複数ドメインを使用したい場合には、それが自由に可能となるオプションを提供できるようにしたいと考えています。現在のホスティングサービスには、共用サーバ、専用サーバ、VPSというカテゴリが存在していますが、今後、ユーザーニーズに合わせてサービス側が形を変えていくことで、これらのカテゴリの境界線はあいまいになっていくのではないでしょうか。

提供:GMOホスティング & セキュリティ株式会社
企画:アイティメディア 営業局/制作:ITmediaエンタープライズ 編集部/掲載内容有効期限:2006年5月15日