特集:全1回 Javaアプリ開発でなぜLinuxを使わないのか:dev Java(2/8 ページ)
Javaアプリケーション開発に初めて取り組む際、疑問のひとつに開発環境がある。何のためらいもなくWindows上でアプリケーション開発を行っている人でも、なぜオープンソースと親和性の高いLinux上で行わないのか、と疑問を持つ人は多い。
開発に欠かせないJ2SE SDK環境はOSに依存する
Javaアプリケーションの開発に欠かせないのが、J2SE SDK(JDK)だ。このJDKは、サン・マイクロシステムズによって提供されている。対応OSは、Soraris 7、8、9およびWindows 98以降、そして、Linuxだ。
ただしLinuxは、ディストリビューションによって動作しないこともあるので注意したい。原稿執筆時点で、最新のJ2SE SDKとなるバージョン1.4.2で正式サポートされているのは、次のディストリビューションだけだ。
下記のディストリビューションでは、Intel系32ビットプロセッサだけを示した。Itanium 2やAMDのプロセッサ上で動作するディストリビューションについては、J2SEダウンロードページのサポート対象のシステム構成を参照してほしい。
- Red Hat Enterprise Linux WS/ES/AS 2.1
- SUSE Linux 8.0
- Turbolinux 7.0
- SUSE Linux Desktop(SLD)8
- SUSE Linux 8.2 Personal
- Red Hat Enterprise Linux 3.0 WS/ES/AS
- Sun Java Desktop System 2003
- SUSE Linux Enterprise Server(SLES)8
- SUSE Linux 9.0 Professional
上記のOnePointに示したように、該当するディストリビューションであれば、RPMパッケージとしてJ2SE SDKが提供されている。RPMのためインストールは簡単だ。問題は、正式にサポートされていないディストリビューションの場合だが、その場合でもほとんどは概ね動作する。ただし、幾つかのディストリビューションでは、追加ライブラリを必要とすることがあるため、公式サポートされているものを基本とした方が無難だ。
BSD系のJ2SE SDKには多少の壁がある
Linuxの場合には、J2SE SDKがRPMパッケージとして提供されているためJavaアプリケーションの開発環境構築が容易だ。しかしBSD系の場合には、公式にサンがJ2SE SDKを提供していないため、少し厄介だ。
ただしBSD系といっても、Mac OS Xの場合には、アップルが「Java for Mac OS X」として、Apple Developer Connectionから配布されているため、大きな問題はない。実際幾つかのJavaアプリケーションは、Mac OS Xを正式サポートしている。
問題が多いのは、FreeBSDだ。FreeBSDのJava環境は、「FreeBSD Java Project」にて開発されている。FreeBSD Java Projectでは、FreeBSD 4.x系で動作するJ2SE 1.3.1が、最新のバイナリパッケージとして提供されている。
しかしこれはバージョン1.3.1と少し古く、また、FreeBSD 5.x系では動作しない。最新のJ2SE SDKを使いたい場合や、FreeBSD 5.x系で動作させたい場合には、Linux版のJ2SE SDKのソースコードをダウンロードし、FreeBSDのパッチを当ててからインストールするという手順が必要だ。また、この際、FreeBSDには、Linuxをエミュレーションするライブラリをインストールしておかなければならない。
このような理由から、FreeBSDでJavaを動かすのは、LinuxやMac OS Xに比べて壁があるというのが現状だ。
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