ブレードと仮想化で携帯市場を開拓 Egenera
UFJなど金融機関をメイン顧客とするブレードサーバメーカー・Egenera。今後は、サーバの切り替えが進むと見られる携帯電話キャリアやコンテンツプロバイダに照準を合わせる。
「金融や医療システムなどミッションクリティカル分野で、IBMやSun Microsystemsに負けないサーバシステムを提供できる」――来日した米Egeneraのバーン・ブローネルCTOは6月17日、都内で開かれた会見で、同社の優位性を強調した。
同社はマサチューセッツ州マルボロに本拠を構え、「BladeFrame」と呼ばれるサーバを開発している。BladeFrame内部にWebサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバなどの3階層モデルを仮想的に構築。管理ソフト「PAN(Processing Area Network)マネージャ」によってリソースをダイナミックに変更することで、プロセッサの利用効率を向上させるのが特徴だ。従来のUNIXサーバの半分のコストで同等の信頼性の高いシステムが構築できるという。
BladeFrameは、米国ではCredit Suisse First BostonやJP Morgan Chaseといった金融機関に採用されており、国内ではUFJグループの共通システム基盤に採用される(関連記事参照)など金融系に強い。国内では今後、金融で培った信頼性を生かせる市場に手を広げる。
携帯電話キャリアはその一つ。6月から、ある国内キャリアの課金サポートシステムに採用されたという。「携帯電話の国内ユーザー数はここ数年で激増したため、キャリアは無計画にサーバを増やしてきた。今、サーバシステム全体を見直し、統合するタイミングに来ている。携帯用コンテンツプロバイダでもサーバのニーズが増しており、参入のチャンスだ」(飯田晴祥アジアパシフィック担当副社長)と鼻息は荒い。
医療分野も開拓する。「電子カルテ化が進む病院は、信頼性が高く安価なサーバを必要としている」(飯田副社長)。
同社は、伊藤忠テクノサイエンスやネットワンシステムズなどのパートナーを通じてBladeFrameを国内販売している。パートナーも順次増やしながら、BladeFrameを新分野に積極的に売り込む計画だ。
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