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Lotus Notes環境をSPSへ移行させるためのツール群第十二回(1/2 ページ)

Lotus NotesやDominoで構築された情報共有基盤を手軽にSPSへ移行させるためのツールがマイクロソフトから提供されている。その利用法について、ステップを踏んで解説する。

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 本連載の最後として、実際に具体的にLotus Notesの環境からMicrosoftのSPS環境へ移行するための手順とそれを支援するためのツールの紹介を行う。マイクロソフトではNotes環境からの移行に際して、各フェーズごとにそれらを支援するためのツール群を提供している。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

移行パスの検討

 現在のNotes環境を移行するためには、戦略的なシナリオの立案が欠かせない。Notesは情報共有基盤として主に3つの機能を持つが、それぞれに対しての受け皿となるテクノロジーや製品を決め、それらへ移行するためのステップを整理する必要がある。

 まずはNotesの持つユーザー管理、ディレクトリ機能である。現在多くの企業では既にマイクロソフトのOfficeアプリケーション製品とファイルサーバを情報共有インフラとして採用しており、NTテクノロジーをベースとしたディレクトリ環境についても多かれ少なかれ整備されている。このディレクトリ環境とNotes上のディレクトリを別々に管理していくことはあまり効率的とは言えない。企業で作成される文書の多くは、Notes上ではなくOfficeアプリケーション製品で作成されることや、その際にはファイルサーバが利用されることを考えると、今後の企業におけるユーザー管理をマイクロソフトが提供するActiveDirectoryへ統合していくことは、大企業を筆頭とするNotesユーザーには非常に有力な選択肢である。

 マイクロソフトでは、こういったディレクトリの移行を行うユーザーのためのツールとして、「Active Directory Converter for Lotus Notes」の提供を行っている。これを使えば、Dominoディレクトリにあるユーザー情報や所属情報をActiveDirectoryに簡単に移行することができる。

 次にNotesの持つ2つ目の機能、メッセージング機能であるが、昨今のインフォメーションワーカーの仕事の進め方の変化に伴い、多くのユーザーはメールクライアントの画面上に各種の処理を統合することを求めるようになってきている。メールだけでなくスケジュールや会議の調整、小規模なグループ間での作業分担や作成文書の校正などをすべてメールクライアントで実現できれば、インフォメーションワーカー達の業務効率は大幅に改善されるというのである。

 こういったインフォメーションワーカーの声に応えるように、マイクロソフトはOutlookの機能拡張を行ってきた。Outlook 2003では、こういった業務に必要な電子メール、予定表、連絡先、仕事管理の情報を一元管理し、ユーザー毎にカスタマイズした画面から効率的なアクセスができる環境が提供される。当然WordやExcelといった他のOfficeアプリケーション製品との機能統合が実現されており、企業における統合メッセージング・コラボレーション・アプリケーションとなっている。

 マイクロソフトは、2004年6月より「Outlook Connector for IBM Lotus Domino」の提供を始めた。同社のサイトから無償でダウンロードできるこのツールを使えば、IBM Lotus Domino Release 5.x または 6.x サーバ上にある電子メール メッセージ、予定表、アドレス帳、または仕事リストの項目に、Outlook 2003からアクセスすることが可能となる。従来のNotesの環境にまったく手を入れることなく、インフォメーションワーカーは最新のテクノロジーであるOutlook 2003のユーザーインタフェースを通じて、より生産性の高いコラボレーション環境を手に入れることが可能となった。

 こうしてOutlook 2003のインタフェースにユーザーが慣れ親しんだところで、バックエンドにあたるメッセージングサーバをマイクロソフトのエンタープライズメッセージング製品であるExchange Serverへの移行することも容易にできる。

 最後にNotesが蓄積したドキュメント共有の機能であるが、これについては当連載で何度も紹介してきたように、マイクロソフトの最新のテクノロジーを使ったMicrosoft Office SharePoint Portal Server 2003(以下、SPS)を使うことで、柔軟かつ拡張性に富んだインフラへのステージングアップが可能である。以下、その手順についてもう少し詳細化して説明を行う。

移行手順の最初のステップは現状調査から

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