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デルの真髄、サプライチェーンの考え方

デルは「“Enterprise”Dell Days」を開催した。

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 デルは9月3日、都内で「“Enterprise”Dell Days」を開催した。受注してから商品を組み立て、短いリードタイムで顧客に届けるBTO(Build To Order)の仕組みを徹底化する同社。完成品在庫はゼロ。部品在庫も4日分しか持たないというデルモデルは、今やサプライチェーンマネジメントに取り組む製造業者の手本としても注目されている。この日も、日本と中国をまたがるBTOをどのように実現しているかが紹介された。

 37カ国に直販拠点を持ち、社員は4万7800人、生産拠点は、テキサス州オースチン、ナッシュビル、ブラジル、マレーシアのペナン、アモイ、アイルランドのリムリックの6つを数える。米国以外での成長がカギになるという。

 日本向けでは、アモイの工場が拠点となる。空港からたった800メートルという近距離に工場を構え、パソコンなど同社製品が完成したらすぐに、世界各地へと出荷できる体制を整えているという。

 デルのサプライチェーンの現状を紹介したセッションでは、同社が意識する3つの流れが示された。ダイレクトモデルをベースにする商流、サプライチェーン全体にわたって情報共有を進める情報、BTOをベースとする物流の3つだ。通常、実際のモノの流れである物流に目がいきだちだが、同社の考えは、「サプライチェーン全体にわたって正確に情報を共有すれば、物理的な在庫を必要以上に持つ必要がなくなる」というもの。

 つまり、情報として在庫の状況がリアルタイムに把握できていれば、需要予測の精度も上がり、生産計画のクオリティも向上、無駄な在庫を持つ必要がない。また、デルに部品を納めるサプライヤーとしても、いつ何が売れるかが正確に分かっていれば、配送など事前の準備も万全で迎えられるため、結果としてコストを抑えられる。情報イコール物理在庫の高効率管理という結びつきが成り立つわけだ。

 また、具体的な特徴として、デルは1つの注文に対して一意のオーダー番号で管理している。受注後、生産準備、製造工程、国際輸送準備、国際輸送、日本到着、出荷済み、納品完了という一連のステータスは、どこにいても、オーダー番号にヒモ付けて管理されている。顧客は、自分の注文がいまどのプロセスに進んでいるかを簡単にチェックできるわけだ。

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