CA、日本にビジネスソリューション開発の拠点を開設へ
コンピュータ・アソシエイツは、企業のITインフラの統合管理ソフトウェアについて、製品戦略を説明する記者向けのブリーフィングを行った
コンピュータ・アソシエイツ(CA)は10月13日、企業のITインフラの統合管理ソフトウェアについて、記者向けに説明するブリーフィングを行った。米本社から来日している製品開発担当の上級副社長、マーク・バレンシエ氏は、今後90日以内に詳細を決めて「ジャパン・テクノロジー・センター」(JTC)を開設することを明らかにし、さらに、製品戦略や、買収戦略についても併せて述べている。
Oracleのアプリケーション開発担当上級副社長から転身したバレンシエ氏。
「JTCはほかに例がない取り組み」と話すのは日本法人社長の三ツ森隆司氏。JTCは、日本市場に対応して製品開発やローカライズ、関連するシステムとの動作の検証などを拠点となる。同センターは、現在、CAがワールドワイドとして開設しているインドや中国のテクノロジー・センターとは異なり、顧客の業務要件をいかにシステムに落とし込むかという点も意識している。同氏は、外資系企業の新たなビジネスモデルになり得るとも話しており、取り組みへの自信を伺わせた。
一方、来日中のバレンシエ氏は、「CAは30年近くビジネスを展開しており、今は世界規模になった。70カ国で3.3億ドルを売り上げ、今、もうひとたびの転換期を迎えようとしている。」と話す。
最近の同社の動きとして目立つのが買収だ。8月16日にはスパイウェア対策企業のPestPatrol、さらに、10月6日には、セキュリティソフトメーカーのNetegrityを買収している。
買収について同氏は、「製品化までの時間の短縮化(タイム・トゥ・マーケット)と市場シェアの2点がポイントになる」と話す。同社は、日本市場をこれまでよりも重視するとしており、製品の英語版と日本語版を同時提供していくことを明らかにした。
製品戦略は?
同氏は、CAの成長戦略の柱として当然ながら製品開発を挙げる。管理ソフトウェア市場は世界中にベンダーがひしめき合うため、ネットワーク、サーバ、ストレージ、資産管理を含め、ベンダーに依存しない同社の強みを背景に、包括的かつ統合化されたソフトウェアを提供することで差別化していくという。
また、同氏は、「“統合化”は概念ではなく共通のユーザーインタフェースおよびテクノロジースタックを持つこと。」と加える。従来は機能別だったシステムを、ITではなくビジネス主導の新たな切り口で管理するソリューションを提供する。
「10年前のCIOは売り掛け、買い掛け、元帳管理などの機能をそれぞれ別個に買っていたが、現在はERPという統合化されたシステムを購入することが一般的。これと同じことが、システム管理ソフトウェアの領域でも必ず起こる。ストレージ、セキュリティ、ライフサイクル、資産管理まで、IT資産を包括的に管理できるのがCAのソリューションだ」(同氏)
資産管理について、ITILがMDBと呼ばれるデータベースで1本化するコンセプトを定義している。同社はこれを「CMDB」で実現。ハードウェア、ネットワーク、ストレージ、ライセンスなどを1つのデータベースの中で資産として管理することができる。
なお、同社は来年のCA Worldにおいて、オープンソースプロジェクトへの取り組み強化をアピールするイベントを行うという。既に、同社のIngresデータベースをオープンソース化する計画が5月に発表された。次回のCA Worldでは、「Oracle、DB2 UDB、SQL Serverなどの主要データベースを、Ingresへと変換してくれた人に100万ドルを贈呈する“ミリオンダラーチャレンジ”を実施する」という。
賞金は、同氏が直接手渡すとしており、オープンソースに自信がある人およびグループにとっては「アメリカンドリーム」の実現のチャンスになる。
日本法人社長の三ツ森隆司氏
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