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近距離無線の新規格「ZigBee」の可能性寄稿(2/3 ページ)

RFIDやBluetoothと共に、近距離無線技術として注目されているZigBeeを中心に、名古屋市で研究を進めるOTSLに、ZigBeeからRFID、Bluetooth、微弱無線など、近距離無線技術の概要について寄稿してもらった。

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 形状面や想定される用途という面から見るとRFIDは、電子マネーやカードなどに利用されている非接触型ICカードと、バーコードに替わる技術として注目されているICタグとに分けることができる。ICタグは、汚れに強い、隠れていても読み取りができる、データの書き込みが可能であるなど、バーコードにはないメリットがある。

 反面で、読み取りエラーが高い(約数%)、すべてのものに添付するには価格が高い、水や金属の影響を受けやすい、同じ周波数を使用する他のシステムと干渉してしまうなどのデメリットも指摘されている。

 振る舞いという点では、RFIDは、自発的に電波を発信するアクティブ型と、自発的には電波を発信しないパッシブ型に大別することができる。アクティブ型は内蔵する電池で駆動するが、パッシブ型はリーダーからの電波を電力に変えて駆動する。パッシブ型にも電池を内蔵するものがあり、セミパッシブ型と呼ばれている。セミパッシブ型は、電池を内蔵するため通信距離は延びるが、コストが高くなることと電池寿命の問題を持っている。

 想定している用途にもつながる問題として実効的な通信距離と速度も考慮する必要がある。RFIDの通信速度は数k〜数十kbpsが一般的だが、通信距離は使用する周波数帯により異なっている。135kHz以下で2m、13.56MHz帯で1.5m、2.45GHz帯で1mが規格上の通信距離だとされているが、リーダー/ライターの出力よって大きく左右されるため、実際には数cm〜数十cmとなると見られる。また、アンテナ内蔵型微小RFIDの場合には数mm程度と極端に短くなる場合もある。

 RFIDの項の最後に、規格や仕様面から見たRFIDの概況について触れておきたい。RFIDで使用される主な周波数帯には、135kHz以下、13.56MHz帯、2.45GHz帯の3種類がある。米国では915MHz帯が主流であるが、現時点では日本では使用が許されていない。

 ただし、日本でも950MHz帯の利用条件に関する検討が開始されている。RFIDの仕様の根幹を成すものは、ICタグとリーダー/ライターの物理的な通信仕様と、ICタグに記録するIDの共通フォーマットに関するものだ。前者はISO/IEC18000シリーズとしてISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)の共同技術委員会が標準化を進めており、後者は日本のユビキタスIDセンターと米国のEPCglobalがそれぞれ標準化を進めている。

 

小電力無線(Bluetoothなど)

 Bluetoothと無線LAN(IEEE802.11)は、総務庁による区分では小電力無線局として扱われる。小電力無線局そのものは、コードレス電話、特定小電力無線局、小電力データ通信システムな、特定の用途及び目的の無線局として定義されている(詳細は総務省のホームページを参照)。

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