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サーバ統合の切り札「仮想化」でタッグを組むデルとヴイエムウェア(1/2 ページ)

次の「PC革命」ともいわれるPCの仮想化は、データセンターの運用化を効率化するアプローチとして脚光を浴びている。この新しい技術でタッグを組むデルとヴイエムウェアに話を聞いた。

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 データセンターの運用を効率化するアプローチとして「仮想化」技術が脚光を浴びている。この3月、サンフランシスコ、そして東京で開催されたIntel Developer Forumでも、プラットフォームを拡張する新しい技術として仮想化技術が披露されたばかりだ。

 しかし、コンピューティング資源を仮想化しようという試みは、何も今に始まったものではない。IBMがメインフレームに仮想化技術を実装して以来、実に40年もの歴史がある。メインフレームの利用効率は80%以上を誇るのもCPUやメモリ、I/Oといった資源が仮想化されているからだ。

 一方、オープン化の潮流に乗り、企業への浸透が進むインテルアーキテクチャー(IA)のサーバは、その利用効率はせいぜい15%に過ぎないといわれている。ワークグループレベルで導入されているうちはそれでも良かったのだが、データセンターでミッションクリティカルな基幹業務を担い始めると事情は変わってくる。

 また、セキュリティ対策の必要性や個人情報保護法の施行もあり、企業内にばらばらと導入されたIAサーバをデータセンターに統合し、しっかりと管理したいというニーズも生まれている。

 しかし、こうした課題がサーバやストレージを物理的に1カ所に集めれば解決するというわけではない。今データセンターでは、管理の簡素化、消費電力や設置スペースといった問題を抱えているからだ。

 「IAサーバを集約するにはVMware製品が不可欠」と話すのは、デルのエンタープライズ事業本部で事業開発を担当する布谷恒和マネジャー。同社では今年初めから国内でもVMware製品の提供を開始している。


「VMwareの戦略とわれわれの戦略は一致している」と話すデルの布谷氏

メインフレーム並みの仮想化をx86でも

 VMwareは1998年設立という比較的歴史は浅いが、メインフレーム並みの仮想化を業界標準のx86マシンでも実現しようというスタンフォード大学での研究が基礎となっている。翌年には、最初の製品である「VMware Workstation」を出荷し、先ずはクライアントPCでの実績を重ねた。東北電力がクライアント環境をWindows 95からWindows 2000へ移行する際,VMware Workstationを大規模に採用したことはよく知られている。業務に合わせて開発されたWindows 95のアプリケーション資産が数多くあり、これを書き換えるとなると膨大なコスト負担を覚悟しなければならなかったが、新旧のOSを新しいマシン上で同時に稼動させることで解決できたという。

 その後、2001年にはサーバ向けの「VMware GSX Server」と2ウェイの仮想マシンでSMPアプリケーションをサポートする「VMware ESX Server」をリリースし、企業のデータセンター市場に参入を図っている。現在では、仮想インフラストラクチャーを管理するための「VMware VirtualCenter」も用意し、利用効率の改善だけでなく、プロビジョニングの迅速化やシステムを止めないハードウェアメンテナンスを売り物にする。

 デルの布谷氏によれば、昨年後半から国内市場でもDell PowerEdgeサーバとVMwareのサーバ製品を組み合わせて使いたいと指名してくる顧客が増えているという。

 「1年くらいの期間をかけてテストを済ませ、Dell|EMCのストレージも含めた大規模な案件も登場している」と布谷氏は明かす。

NT 4.0サーバもそのまま統合

 VMwareに対する需要の高まりを目の当たりにする彼は、その背景にIAサーバのリプレースが活発化していることがあると指摘する。

 「西暦2000年問題への対応もあり、Windows NT 4.0サーバを導入した企業は多い。筐体が大きい割りにはプロセッサも遅く、メモリやハードディスクの容量は少ない。VMwareであれば、問題なく稼動している環境をそのまま統合できる」と布谷氏。

 サーバ1台分のハードウェアインフラストラクチャー上に複数台の仮想マシンを構築できるのは、先にも触れたがその利用効率が10%程度に留まっているからだ。

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