Oracle幹部、「Fusion」計画の詳細を明らかに(2/2 ページ)
Peoplesoft、そしてRetekを傘下に加えたOracle。同社の幹部2人が、次なる統合アーキテクチャ「Fusion」の詳細と同社の方針を明らかにした。
さらにOracleは、PeopleSoftのアプリケーションを「Oracle On Demand」というホステッドソフトウェアサービスに近く追加する計画だ。フィリップス氏によると、同サービスの顧客数は400社で、約10万人の会員が利用しているという。PeopleSoftも独自のホステッドアプリケーション事業を展開していたが、フィリップス氏によると、顧客ベースは決して大きくなかったそうだ。
Oracleが最近買収したRetekのアプリケーションも、Fusionアーキテクチャに統合されることになっている。それまでの間、Oracleは6カ月以内にRetekのアプリケーションを自社のE-Business Suiteに統合し、9カ月以内にPeopleSoftのアプリケーションに統合する予定だ。
買収意欲は衰えず
フィリップス氏は慎重にも、今四半期の業績や企業のIT投資状況に関する話題を避けた。このところウォール街は警戒感を強めているが、その背景には、堅調な業績を報告することが多いIBMをはじめとする企業から、業績警告や予想を下回る業績の発表が相次いでいることがある。
OracleはCRM(カスタマーリレーションシップ管理)ソフトウェアメーカーのSiebel Systemsの買収に関心があるのかという質問がフィリップス氏に浴びせられたが、同氏はこれも巧みにかわした。四半期収支が大幅に悪化したSiebelでは先週、CEOが交代した。
Oracleは以前、Siebelも買収リストに含めていた。この事実は、OracleによるPeopleSoft買収提案をめぐって長期にわっって続いた裁判の中で明らかになったもの。だがその後、OracleはPeopleSoftの買収に103億ドルの資金をつぎ込んだ。
アナリストによると、当分の間、Oracleが数十億ドル規模の買収を新たに手がける可能性は低いとしている。それにSiebelの製品は、既にOracleの製品ポートフォリオに含まれている製品と重複する部分が多いという。
だがフィリップス氏によると、Oracleの買収欲はまだ満たされてはいないようだ。
Oracleは、Retekを中心として「リテールグローバルビジネス」部門を設立する計画であり、ほかの業界分野でも必要なコンテンツと技術を確保した段階で同じモデルを採用したい、とフィリップス氏は話す。同氏はOracleが特に得意とする分野として、金融、医療、公共部門などを挙げている。
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