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IBMが描くSOAによるIT環境の未来像(3/3 ページ)

IBM Software World 2005では、SOAに関するセッションが15セッションも行われた。IBMからのメッセージとしては最後となるセッションに登壇した長島哲也氏が、同社のSOA戦略について総括した。

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サービス・コンポーネント――ベースド・アーキテクチャ

 SOAでは、基本的にサービスがコンポーネントにマッピングされる。コンポーネント・オリエンテッドを拡張したのがサービス・オリエンテッドということになる。ここで用いられるコンポーネントは、新規に作成したものだけではなく、既存のリソースをラッピングすることでコンポーネントに見立て、そのコンポーネントがサービスとして見えるようにすれば、サービスとしてのツールがそろう。

 そのサービスをビジネスモデルのレイヤで繋げることができれば、SOAに基づくアプリケーションの構築が可能になる。

 サービスは、サービス・コンシューマーから見れば、機能面が見えればサービスの必要十分条件は満足する。その機能面はサービス・インタフェースを通じてリーチできればサービスとして利用できる。サービス・インタフェースは、サービスのスペックに対して1対nの関係で複数のインタフェースを持つ構造をとる。

 このサービス・スペックの定義体がサービスとなる。このサービスはコンポーネントと主に1対1でマッピングされる。コンポーネントの実装としては、既存のシステムをラッピングしたもの、新規に開発されたもの、既存のシステムにミドルウェアを加えてコンポーネントに見せかけたもの、この3つが考えられる。実装によりコンポーネントは、インスタンスとして1つ1つ立ち上がり、実際に配置する際にはパッケージングされた形で配置される。

 「重要なのは、利用者から機能面が見えればよいのであり、サービスとは、機能面と運用面の中間に位置する純然たる定義体、ジャスト定義なのであって、機能を果たすものでも、実際に実行されるものでもない、ということです」と長島氏は解説する。

 コンポーネントはオブジェクトと強く結合されるが、それと比較して定義体であるサービスとコンポーネントとの結合度合いは弱くなる。さらにサービスはビジネス・プロセスと結合されるが、ESBを介して繋がっているため、結合度合いはさらに弱まり、変化対応力の高い柔軟なシステムが構築できるということだ。

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