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「インターネットの縮図」を描くShowNet(1)Interop Tokyo 2005開幕特集(1/2 ページ)

6月6日よりコンファレンスが、8日からは展示会がスタートするInterop Tokyo 2005。そのネットワークインフラであるShowNetはいかなる哲学に基づいて構築されているのかをNOCメンバーが語った。(関連特集)

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 Interop Tokyoの出展各社に対するネットワークインフラであるとともに、その年ごとの最先端のネットワークの姿を示し、次なる挑戦の場でもあるShowNet。今年は、ネットワークの使われ方の広がりを踏まえ、シーンごとに異なるネットワークの姿を示そうとしている。そのコンセプトをShowNetの設計、構築、運用を担うNOCチームのメンバーに聞いた(Interop Tokyo 2005会場で配布される「ShowNet Magazine」より転載)。

多岐にわたるネットワークの姿をそれぞれの「立ち位置」から見られる場に

ITmedia Networld+Interopを支えてきたShowNet。12回目となる今年から「Interop」と名称を変えることになりますが、改めてその果たしてきた役割をお聞かせください。

山口 ShowNetとは一言では言い表せないものだと思います。まず、その年その年のホットな技術を用いた典型的なネットワークの姿を見せる「ショーケース」としての意味があるでしょう。それも、一番新しい最先端の技術を、ラボレベルではなく、商業的に製品となり運用可能なレベルの機器を入れて、そのとき一番ホットな作りを見せる、という点に意味があります。

 もう1つ、技術的なチャレンジとしての意味合いもありますね。展示会という劣悪な環境の中で短期間での構築が求められるし、会期中は、ショウの中で使っている人たちがいるのですから、ネットワークを落とせないし、変えられない。ミッションクリティカルなネットワークを短期間で現場で作りこんで動かしていくのは、オペレーションの面でもテクニカルに見てもチャレンジです。

 3つめは、人の交流という面です。ベンダーだけでなく、大学の学生や通信事業者、メディアに関わる人など、エンジニア以外の人々も関わりながらネットワークを組んでいます。つまり、クロスカルチャーの中で仕事をしているんです。さまざまな人が出会ってチームを作り、ネットワークを動かすということが大きな資産になっていると思います。現にこのNOCチームは、Interopだけでなく、他のいろいろな活動を一緒にやっていく強いコミュニティを作っています。

山口氏
NOCチームメンバーの山口英氏(奈良先端科学技術大学院大学)

 4つめはビジネスとして見たとき、コントリビュータにとって、強力なマーケティングとして作用しているということです。ShowNetの中にその製品が使われるということは、いろいろ厳しいことを言われたりして普通に考えるとロスになるかもしれませんが、最先端の技術で作られたホットなネットワークの中にきっちりはまっていくこと自体が強力なマーケティングになります。

 最後に、楽しい環境をどう作っていくかというビジョンを提示していることです。これまでShowNetで見せてきたADSLしかり、光ファイバのクラスタやファイバー・イン・クローゼット、それにシステマティックな構成しかり、「こういのがいいよね」「使えるね」「サービスにできるね」というビジョンを提示する役割があるのかなと思います。

 こういったさまざまな要素が積み重なったものが、10年を越える歴史を通じて蓄積してきたShowNetの役割かなと感じます。

ITmedia 今年からNOCチームに参加された方の目から見てどうでしょう? 外から見ていたときとの違いはありますか?

海崎 僕はこれまでボランティアのSTM/STMリーダーとして参加し、今年からNOCチームに加わってデザイン面にも参加するようになりました。新しい技術に対する理解も必要ですが、いろいろな人が関わってくる中で、段取り力を問われるのだということを非常に強く意識させられました。ネットワークに関わってくるものすべてを、ただ技術レベルだけでなくとらえるという意味でいい経験になっています。

櫨山 デザインの部分を担当させてもらっていますが、いろんな方にヒアリングしては設計し、また修正するという具合に、スクラッチ&ビルドを10回以上繰り返しています。こういうことを積み重ねた上で毎年ShowNetができているんだということを実感していますし、それがやりがいのある部分です。

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