スケールとビジョンでSAPに挑むOracle:Interview(2/2 ページ)
次世代アプリケーションの「Fusion」で巨人、SAPに挑むOracleのウーキー氏は、「スケール」と「ビジョン」こそが同社の強みだと話す。
ITmedia Healthcare Transaction Baseというのは製品の名前ですか?
ウーキー はい、私のチームが開発が担当した製品です。ほとんどの病院は、優れたITシステムを導入展開する予算がありません。そこでポイントソリューションを導入するのですが、システム間で連携できません。既存の投資をうまく活用しながら、これらをうまく統合する必要がありました。われわれはJavaとSOAによって医療情報のためのプラットフォームを開発し、既にある患者の情報を統合し、さらに新しいシステムを構築できるようにしたのです。
ITmedia 最大のアプリケーション資産を持つSAPもSOAに取り組み始めています。IBMやBEAは、SOAの基盤ソフトウェアの整備に熱心です。Oracleの優位性とは何でしょうか?
ウーキー Oracleが持つ「スケール」と「ビジョン」です。
データベース市場で大きなシェアを占めているように、Oracleは世界最大のテクノロジーカンパニーです。アプリケーションサーバは市場で最も急速な成長を遂げていますし、GartnerやForesterといった調査会社からは最も高く評価されています。
2万3000社の顧客で採用されているアプリケーションは、さらに成長を続けています。この市場では世界第2位ですが、幾つかの分野ではトップに立っています。北米市場ではナンバーワンですし、人事、サプライチェーンといった領域、リテールバンク(北米および欧州)や通信といった業種でもナンバーワンです。
もう1つは将来に対するビジョン「Information Age Application」です。
ITmedia そのInformation Age Applicationですが、分かりやすく説明してもらえますか。
ウーキー 幾つかの原則があります。
顧客の組織のあらゆる階層の人たちが、毎日の業務の中で、最も良い意思決定が下せるよう情報管理が自動化されている必要があります。Information Age Applicationは、こうした「ビジネスインサイト」がデザインの最初の段階から組み込まれています。
また、ビジネスプロセスの変化に応じた柔軟性も必要です。
ビジネスプロセスの改善をうたう競合他社もあります。われわれも同じ考えです。しかし、実際の企業の中で何が起こっているかが分からなければ、それを達成することは不可能でしょう。
セールスプロセスの改善を例に取りましょう。テレセールスであれ、フィールドセールスであれ、そしてパートナーのチャネルであれ、だれが顧客で、どのようなプロセスがあったのかを理解できないのに、どのようにして効率化できるのでしょうか?
われわれは、Fusion Middlewareの一部として提供しているBPM(Business Process Management)と、「Daily Business Intelligence」として提供されている統合化されたビジネスインテリジェンス、「Customer Data Hub」のようなマスターデータ管理ツールを組み合わせ、実際に市場で起こっていることから得られるナレッジからベストプラクティスを実践していくことができるのです。
関連記事
- Oracle、マフェイ氏の社長兼CFO就任を正式発表
- 社員犬「ウェンディ」が参加したイベントでオラクルが訴えたこと
- PeopleSoft製品との“融合”計画「プロジェクト・フュージョン」発表――日本オラクル
- 活気づくBI市場、オラクルは「リアルタイム」を武器に挑む
- 2005年もERP王者はSAP--AMR調査
- Oracle、JD Edwards Worldのアップデートリリース
- 「情報志向」を訴求、アプリケーションでもリーダーの座を狙うオラクル
- Oracle、新ミドルウェアブランド「Oracle Fusion Middleware」を発表へ
- 日本ピープルソフトがFusionを含めた製品ロードマップを発表
- Oracle、Retek買収合戦でSAPに勝利
- 「一つの真実」を追い求めて信念を貫くOracleのエリソンCEO
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.