社長とITの話をするための12のコツ(4/4 ページ)
コミュニケーションの重要性は言うまでもないがSEが経営者と話をするときにはコツがあるのも事実だ。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)
ポイント10:前提条件、リスク、課題
われわれは100%の世界に生きているわけではない。ましてやビジネスの世界では、成功と失敗は紙一重であり、経営者や上級管理職は時間も限られ、情報も十分ではない状況で常に難しい判断を求められる。ポイント2や8とも関連するが、いろいろな意思決定をする際に、常に前提条件、リスク、課題を意識している。
その意味で、たとえば、「そのスケジュールの前提条件は? スケジュールが遅延した場合のリスクは?」など、相手からこのような質問を受けることは多いはずなので、答えられるように用意しておく必要がある。
ポイント11:ITは苦手
これからは徐々にこういった経営者や管理職は減ってくると思うが、現時点では、コンピュータシステムの話になるととたんに、「自分のことではない」と平気で言う人もいる。私自身、こういったことではよくないと思うが、現実は現実として対応しなければならない。この場合のポイントは、とにかく専門用語は使用しないように話したり、説明したりすることである。できる限り、ビジネス用語を使って話をする努力が必要である。
ポイント12:真の経営者/管理職か
本当の意味でManagementができる人なのか、あるいは管理者としては新人であまりManagementのことがまだ分かっていない人なのか、はたまた、業務処理をうまくできるレベルの人がたまたま管理者のポジションにいるだけ(これは会社にとっても本人にとっても、さらにはあなたにとっても大変不幸なことであるが、現実には結構あることも事実である)なのか、を見極める必要がある。
真の経営者や管理職であれば、これまで述べた点を強く意識すべきであるし、新人管理職であれば、同じようなポイントを理解しつつも現場の業務に近い感覚で話す必要があろう。最後のパターンのときにはどうするのか? その場合は、思いっきりその人に合った形で目的を絞り込もう。そして本当に話すべき、話せる人を探すしかないだろう。
少し長くなってしまったが、是非経営者や管理職、ユーザー部門の責任者とのコミュニケーションに生かしてほしい。次回はいよいよ最終回なので、これまでを振返って、もう一度私が重要と思うことを述べて、まとめの話としたい。
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杉山 正二
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