楽天市場の会員情報管理を強化 店舗とカード番号情報を遮断へ
楽天市場の店舗からのカード情報流出事件を受け、楽天がユーザー情報管理体制の強化策を発表した。店舗にカード情報を提供しない仕組みなどを取り入れ、三木谷社長自らが情報管理を統括する。
楽天は、「楽天市場」に出店している1店舗からクレジットカード番号を含む個人情報が流出した事件を受け、情報セキュリティを強化すると発表した。カード番号が店舗側から見えなくなるようにするほか、三木谷浩史社長がセキュリティ本部長に就任し、情報管理を統括する。
従来、各店舗の顧客情報やカード情報の管理は、ある程度店舗に任せていた。三木谷社長は「楽天は、店舗とユーザーを結ぶブリッジに過ぎない」とし、店舗に対してセキュリティ体制の強化を薦めることはあっても、取り引きに介入してまで強制的にセキュリティを強化することはなかったと話す。
同社は今回の情報流出を受け、体制の変更を決定。まずは暫定措置として「カード決済あんしん代行サービス」を8月11日にスタートする。店舗とカード会社間が行う決済処理のうち、カード情報のやりとりのみを楽天側が代行する仕組みで、店舗側にカード情報が渡らなくなる。同サービスに加入しない店舗は、楽天でカード決済できなくなる。
その後、「R-Card plus」に段階的に移行してもらう計画。楽天とカード会社、楽天と店舗がそれぞれ契約を結び、カード情報のやりとりから決済処理まで楽天が一括して行う。店舗とカード会社の契約が不要なのが特徴で、カード情報が店舗に渡ることはない。
楽天は2月からR-Card plusを開始していたが、申し込み店舗数は約3000店舗にとどまっている。年内には市場に出店する1万4000店舗全てをR-Card plus対応にする計画だ。
このほか、ユーザーのメールアドレスが店舗に渡らない仕組みを9月から導入するほか、店舗毎にセキュリティ担当者の設置を義務付けるなど、管理体制を強化していく。
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